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西新宿 彩旬亭

2018.07.28アーカイブ

2018年5月住職日々随想

四月に大阪市仏教会の社会福祉の担当の方より、東日本大震災の被災地か
ら、お坊さんに来てもらって話を聞いてほしい、との依頼が来ているのです
が、ご一緒に行かれませんか、とお声掛け頂きました。
 何か私でお役に立てる事があるならば、ということで予定はしていたのです
が、諸般の事情で、残念ながら行けなくなってしまいました。
 考えてみますと、あの震災から七年が経ってようやく、と言って良いのか、
まだまだ七年では足りないのか、そこはよくわからないのですが、被災地のご
遺族の方々や、様々な被害に遭われた方々が、その辛い胸の内を誰かに聞いて
欲しい、そうして自らの物語りとして、語らずには前に進めない、そういう思
いを持たれたからこその、ご依頼であったと思われます。
 実際、言葉にしないことには、悲惨な体験を現実のこととして受け止め切れ
ない、という事が確かにあります。にもかかわらず、人は悲しみ苦しみが深け
れば深いほど、一番言いたいことは、なかなか言葉にはできないものなので
す。
だからこそ、人は詩を書いたり、歌を詠んだりするのではとも思われるので
すが、多くの哲学者や、こころのケアをされる医療現場の方々も、異口同音
に、自身の人生を物語ることが、その後のその人の歩みにとって、決定的に重
要であることを述べておられます。
物語り?と、疑問に思われる方もあるかもしれません。しかし、あらゆる悲
しみは、それを物語りにするか、それについて物語ることで、耐えられるもの
になる、という死生学(悲嘆ケアや医療倫理について研究する学問)の考察も
あります。
 そしてまた、物語ることで、自分自身のアイデンティティと亡くなった方、
無くした物との関係性を再構築して、深い悲しみを、人生にとって、かけがえ
のない大切な思い出、むしろ支えと受け止めていける、ということもあるので
す。
 仏説観無量壽経の王舎城の悲劇において、夫である王を我が子に殺され、自
身も殺されかけた王妃イダイケが、幽閉されていた王宮に出現されたお釈迦様
に向かって、宝冠瓔珞を引きちぎり、地に身を投げ出して号泣し「私は何故か
かる悪子を産んでしまったのか、何故お釈迦様は、我が子アジャセをそそのか
したダイバと眷属なのですか?」と愚痴の限りをはき出した後、この苦しみに
満ちた娑婆世界を離れて、安養の浄土を願ったように、こぼれる愚痴は、受け
止めてもらう相手無くしては、愚痴を愚痴とも気付ないし、次の一歩も踏み出
し得ない、ということが如実に知られますし、誰かの悲しみに、耳を傾けるこ
とは、相手にとっても自身にとっても、大事な事と知られるのです。
 今、誰かをお支えすることが出来るかもしれない私が、又いつか、誰かに支
えて頂かなければならない時が、来るかもしれないのです。

五月の行事

14日(月)午前10時半~ ピラティス

18日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会

24日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会

26日(土)午前9時~ 大阪教区同朋大会参加

29日(火)午後2時~ 門徒女性聞法の集い
               浄土和讃 30
六月の行事

7 日(木)午前10時半~ ピラティス

8 日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会

16日(土)午後4時~ 祥月講同朋の会聞法会
      ご法話  光照寺住職 墨林 浩師

28日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会

*安泉寺女性部総会・懇親会の詳細は未定です。
*本堂内すべて椅子席、冷暖房完備。
 どなた様もお気軽に。
*六月の門徒女性聞法のつどいは
 お休みです。

真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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