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西新宿 彩旬亭

2018.07.28ブログ

2018年7月住職日々随想


 眼が覚めると大雨だった


 困ったなぁと思いました


 ますます大雨になりました


 私が勝手に困っているんだなぁ


 と思いました


                 横山定男 
  遺作詩集「ありのままがありがたい」より



青色青光
  業報にさしまかせて

上記の詩は若い頃から難波別院のご法座に熱心に通い、後に機関紙「南御堂」掲載の写真を長年任されておられた、写真家横山定男さんの七回忌の記念にご遺族が自費出版された詩集「ありのままがありがたい」の中の一編です。
屋外での撮影を予定していたところ、あいにく朝から土砂降りの雨、止むのかな止むのかなと思っていたが、ますます大雨になってしまった。
 しかし、長年仏法聴聞を重ねてこられた横山さんは、自分を見るまなこをしっかりと持っておられたので、全てはご縁、降るべき縁が整えば雨は降り、晴れるべき縁が整えば晴れる、という当然の道理に立ち返ることが出来たのです。
だからこその「私が勝手に困っているんだなぁ」の頷きだったのです。
実に仏道とは自覚道なのです。
仏法という鏡に照らして、我が身の事実が知らされ続ける、そういう営みに他ならないのです。
この事を中国の善導大師は「経教は之を喩ふるに鏡の如し、數々(しばしば)讀み、數々尋ぬれば、智慧を開發(かいほつ)す。」と述べておられます。
住職日々随想
 疑謗を縁として

 去る六月十八日の朝、大阪府北部を中心に地震が発生いたしました。お亡くなりに成られた方々をはじめ、様々な被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 かくいう私も驚かされた一人ではありますが、特にお一人暮らしの方などは、心細く恐ろしい思いをなさったことと拝察いたします。
 遠方の友人知人や親戚の皆さんから、安否をお尋ね頂き、有り難いことと思っております。
 そのような中にあって、またかと腹立たしく思わずにはおれない出来事もありました。
 それは、ツイッターなどインターネット上の書き込みに「シマウマが動物園から逃げた。」「京セラドームに亀裂が入った」などはまだしも、「外国人がコンビニや商店を襲う」という悪質なものまでありました。
 犯罪心理学では、曖昧な情報×私における関心事=デマと言う公式があるそうです。
ネット上という検証の困難なところで流布される曖昧な情報と、人々の不安な心がデマを容易に拡散してしまうという困った事象ですが、これには悪しき先例が関東大震災の時にもありました。
 それは「朝鮮人が混乱に乗じて井戸に毒を放り込んだ。社会主義者がこの機に乗じて国家転覆を謀っている」などという悪質なもので、当時一般市民が組織していた自警団や警察によって、数千人に及ぶ在日朝鮮人や社会主義者などが捉えられ、虐殺されるという事件が起きました。
 演出家、俳優の千田是也(せんだこれあ)氏も、朝鮮人と間違えられ殺されかけましたが、歴代天皇の名を答えることが出来たので、九死に一生を得たという経験から、あえて千駄ヶ谷でコリアンと間違えられ殺されかけたから、千田是也と強烈な批判を込めて、芸名として名乗られたそうです。
 不安な気持ちから疑心暗鬼に陥っている心には、少し落ち着いて考えれば、明らかにデマと分かるような情報も、容易に信じられてしまうようです。
 親鸞聖人はその主著「教行信証」化身土末巻に『信順(しんじゅん)を因とし、疑謗(ぎほう)を縁として、信楽(しんぎょう)を願力に彰し、妙果を安養に顕さん。』と、仏を信じひたすら「たのむ」心だけでなく、人間という存在の根っこに抜きがたくある「疑い・謗る」心すら、仏道という人間成就の縁になるのだと、
お諭し下さるのです。
七月の行事
5 日(木)午前10時半~ ピラティス

10日(火)午後2時~ 門徒女性聞法のつどい  浄土和讃 31 
14日(土)午後4時~ 祥月講同朋の会聞法会
ご法話 伊勢道淨寺前住職 酒井正夫師

19日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会

20日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会

22日(日)午後2時~ 着付けクラブ
                ゆかた講習会


*どなた様もお気軽に、本堂内全てイス席・冷房完備です。




















真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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