2018.08.27アーカイブ
2017年10月住職日々随想
「もしもあなたが詩人なら」
ティク・ナット・ハン
もしもあなたが詩人なら、この紙の上に雲が浮かんでいるのが
はっきりと見えるでしょう。
雲がなければ雨は降りません。雨がなければ木は育ちません。
そして木がなければ紙はできないのですから、
この紙がここにあるためには、雲はなくてはならないものなのです。
この紙をもっと深く見ていると、この紙の中に太陽の光も見えてきます。
太陽がなければ森は育ちません。実際太陽がなければ、
何ものも生きていくことができません。
それで太陽もまたこの1枚の紙の上に存在していることがわかるのです。
もっと深く見つめてみると、木こりが見えてきませんか?
木こりが木を切って製紙工場に運び、紙が作られます。
そのうちに小麦も見えてくるでしょう。木こりは日々のパンがなければ
生きられないので、木こりのパンになる小麦もまたこの紙の中にあるのです。
それから木こりの両親も見えてきませんか?
このようにどんどん深く見ていけば、
数え切れないほどたくさんのものがあって、ここに一枚の紙が存在するのです。
もう少しこの紙を見ていると、私たち自身もこの紙の中に見えてきます。
ここに自分を見つける事はそう難しいことではありません。
この1枚の紙に中には、あらゆるものが入っています。
ここに無いものを一つでも探すことはできません。
時間、空間、地球、雨、土壌の鉱物、太陽の光、雲、熱 、
全てのものがこの1枚の紙の中に共存しているのです。
ここにある、とは、共にある、ということなのです。
(*原文の「ビーイングピース 中公文庫」は散文の形式ですが、その意を出来るだけ崩さぬように、詩の形式に整えさせて頂きました。)
先ごろリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックがその幕を閉じました。
世界中から集まった選手たちの活躍は実にすばらしいものでした。
わけてもパラリンピックは、かつてややもすれば、社会の片隅に追いやられがちだった障害者の方々が、
それこそ健常者の思いもよらないような努力によって、チャレンジしておられる姿に、
まばゆいほどの美しさを感じました。
およそ私たちの社会は、自分たちの望むような都合の良い者だけで構成されているわけでは、
決してありません。それこそ不都合に思えるような人々、意に沿わない人々とも共にあるということが
共同体の姿です。
中でもある意味、障害者は不都合な存在の典型として扱われてきた歴史があります。
しかし、だからこそ「人間とは何か?」ということを振り返るには格好の素材であり、
生きた具現者であるとも言えるのではないでしょうか。
それは如来の「如実知見」とは対極にある、見たくないものは見ない。
結果、存在しても無い事にしてしまう、根深くずる賢い差別意識を打ってくるものです。
九州博多で様々な人権問題に取り組んでおられる園田久子氏(大谷短期大学講師)は、
大学に入ってきたばかりの学生たちに最初の授業で
「人間はいじめもするし、差別もするし、殺しもするよ。」と投げかけるそうです。
多くの学生たちはその言葉に驚き、場合によっては激しく反発するそうですが、
それは、してはいけない事と教えられ続け、自分たちもそんなことはしていないと思ってきた学生たちに、
本当のところどうなのか?と深く身の事実を問う視点を与えるものなのです。
そんな私たちに、ありのままの姿を見せてくださる鏡を心に持ち続ける事を、
善導大師は「経教(お経とみ教え)はこれをたとうるに鏡のごとし。しばしば読み、しばしば尋ぬれば、智慧を開発す。」と、おすすめ下さるのです。
十月の行事
11日(火)午後2時~ 門徒女性聞法の集い
和讃に学ぶ21
15日(土)午後4時~ 祥月講・同朋の会聞法会
ご法話 円龍寺住職 門井 等師
20日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
24日(月)午後2時~ 仏教コーラスの会
十一月の行事
6 日(日)午後1時~ おみがき清掃ご奉仕
報 恩 講
12日(土)午後2時~ 大逮夜
夕方7時~ 御伝鈔(宗祖御一代記)拝読
13日(日)午後2時~ 結願日中
ご法話 泉大津 南溟寺 戸次公正師
(お抹茶・お斎のご接待有ります。)
17日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
28日(月)午後2時~ 仏教コーラスの会
*十一月の門徒女性聞法の集いはお休みです。
*本堂内すべて椅子席、冷暖房完備、
どなた様もお気軽に。
ティク・ナット・ハン
もしもあなたが詩人なら、この紙の上に雲が浮かんでいるのが
はっきりと見えるでしょう。
雲がなければ雨は降りません。雨がなければ木は育ちません。
そして木がなければ紙はできないのですから、
この紙がここにあるためには、雲はなくてはならないものなのです。
この紙をもっと深く見ていると、この紙の中に太陽の光も見えてきます。
太陽がなければ森は育ちません。実際太陽がなければ、
何ものも生きていくことができません。
それで太陽もまたこの1枚の紙の上に存在していることがわかるのです。
もっと深く見つめてみると、木こりが見えてきませんか?
木こりが木を切って製紙工場に運び、紙が作られます。
そのうちに小麦も見えてくるでしょう。木こりは日々のパンがなければ
生きられないので、木こりのパンになる小麦もまたこの紙の中にあるのです。
それから木こりの両親も見えてきませんか?
このようにどんどん深く見ていけば、
数え切れないほどたくさんのものがあって、ここに一枚の紙が存在するのです。
もう少しこの紙を見ていると、私たち自身もこの紙の中に見えてきます。
ここに自分を見つける事はそう難しいことではありません。
この1枚の紙に中には、あらゆるものが入っています。
ここに無いものを一つでも探すことはできません。
時間、空間、地球、雨、土壌の鉱物、太陽の光、雲、熱 、
全てのものがこの1枚の紙の中に共存しているのです。
ここにある、とは、共にある、ということなのです。
(*原文の「ビーイングピース 中公文庫」は散文の形式ですが、その意を出来るだけ崩さぬように、詩の形式に整えさせて頂きました。)
先ごろリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックがその幕を閉じました。
世界中から集まった選手たちの活躍は実にすばらしいものでした。
わけてもパラリンピックは、かつてややもすれば、社会の片隅に追いやられがちだった障害者の方々が、
それこそ健常者の思いもよらないような努力によって、チャレンジしておられる姿に、
まばゆいほどの美しさを感じました。
およそ私たちの社会は、自分たちの望むような都合の良い者だけで構成されているわけでは、
決してありません。それこそ不都合に思えるような人々、意に沿わない人々とも共にあるということが
共同体の姿です。
中でもある意味、障害者は不都合な存在の典型として扱われてきた歴史があります。
しかし、だからこそ「人間とは何か?」ということを振り返るには格好の素材であり、
生きた具現者であるとも言えるのではないでしょうか。
それは如来の「如実知見」とは対極にある、見たくないものは見ない。
結果、存在しても無い事にしてしまう、根深くずる賢い差別意識を打ってくるものです。
九州博多で様々な人権問題に取り組んでおられる園田久子氏(大谷短期大学講師)は、
大学に入ってきたばかりの学生たちに最初の授業で
「人間はいじめもするし、差別もするし、殺しもするよ。」と投げかけるそうです。
多くの学生たちはその言葉に驚き、場合によっては激しく反発するそうですが、
それは、してはいけない事と教えられ続け、自分たちもそんなことはしていないと思ってきた学生たちに、
本当のところどうなのか?と深く身の事実を問う視点を与えるものなのです。
そんな私たちに、ありのままの姿を見せてくださる鏡を心に持ち続ける事を、
善導大師は「経教(お経とみ教え)はこれをたとうるに鏡のごとし。しばしば読み、しばしば尋ぬれば、智慧を開発す。」と、おすすめ下さるのです。
十月の行事
11日(火)午後2時~ 門徒女性聞法の集い
和讃に学ぶ21
15日(土)午後4時~ 祥月講・同朋の会聞法会
ご法話 円龍寺住職 門井 等師
20日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
24日(月)午後2時~ 仏教コーラスの会
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6 日(日)午後1時~ おみがき清掃ご奉仕
報 恩 講
12日(土)午後2時~ 大逮夜
夕方7時~ 御伝鈔(宗祖御一代記)拝読
13日(日)午後2時~ 結願日中
ご法話 泉大津 南溟寺 戸次公正師
(お抹茶・お斎のご接待有ります。)
17日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
28日(月)午後2時~ 仏教コーラスの会
*十一月の門徒女性聞法の集いはお休みです。
*本堂内すべて椅子席、冷暖房完備、
どなた様もお気軽に。
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