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西新宿 彩旬亭

2018.10.31ブログ

法悦 11月

法 悦 11月号 818号

浄土は

言葉のいらぬ世界

人間の世界は

言葉の必要な世界

地獄は

言葉の通じぬ世界

曽我量深

青色青光  言葉は何のために…

最近ではとんと聞かれなくなりましたが、以前はご門徒のお婆ちゃんに、「お婆ちゃんいつまでも元気で結構やねぇ。」などと言うと「へい、わてはほんまに、業が深こうおますよってになぁ。」などと返ってきたものです。
もちろんひとに向かって「業が深い」などと言うべき言葉ではありません。しかし無邪気に長生きを喜び求めておられる姿より、ご自身、苦労は多くても、まだまだこの娑婆でのお役が済んではいないと、しみじみ頂いておられる、長年風雪に耐えてきた方の言葉の持つ深さに、感銘を受けたものです。
翻って、現代の我々はどうでしょうか?
悪しき風潮として、とかくスピーディな結論を急ぐあまり、単純でわかりやすい答え、是か否か、敵か味方か、正か邪か、という二者択一的なものを求め、結果、場合によっては薄っぺらなポピュリズムが蔓延するということにもなっています。
言葉の必要な人間界にあっては、情理を尽くし、じっくりと語り合い、場合によっては、理解も共感も絶した他者との「気まずい共存」をも受け入れていってこそ、本来豊かであったはずの社会が取り戻せるのではないでしょうか。
言葉はこころとこころを結ぶためにこそ有るのです。

住職日々随想

「歳とって、ほんまにあかんもんになりましたわ。根気は無うなるし、聞いたことは右から左、ちょっとしたことするにも時間がかかる、何よりあっち痛いこっち痛いて、身体がすぐに悲鳴あげよります。ほんまにつまらん、あかんもんになりましたわ。」と、月詣りなどの折り、そんな嘆き節をよく伺います。
何十年も一生懸命まじめに頑張って生きてきて、とどのつまりが、間に合わんつまらんものになったとならば、こんな悲しいことはありません。
最近、某代議士が雑誌にLGBTいわゆる性的少数者の方々には、生産性が無いからそこに税金を使うことは無駄だ、という極めて差別的で、人権意識の欠如した文章を載せ、多くの批判を招きました。そこにまたそれを擁護する「評論家?」のとんでもない論文などが、火に油を注ぐかたちとなり、ついには雑誌廃刊に至るという一連の騒動がありました。
また私たち現代人は、つい目先のことだけに追われ、何事もすぐに忘れてしまいますが、一昨年には、相模原障がい者施設大量殺傷事件が発生しました。事件を引き起こした容疑者が「私が殺したのは人ではない。意思疎通の出来ない人間は安楽死させるべきだ。」と、主張していることなどと考え合わせると、こういったいわゆる優生思想は、決して一過性のものではなく、私たちのうちに根深く宿るものと言えるでしょう。
じつに私たち凡夫は、いつも善し悪しで物事をはかります。生産性があるとか無いとか、何かが出来るとか出来ないとか、間に合うとか間に合わんとか、都合の良いものを善しとし、都合の悪いものは排除の対象とさえし、時に他者を切り刻み、時には自己軽蔑の思いで、自身をも切り刻む、人間の生きる意味をそんなところに求める、じつに私たち凡夫の都合の物差しこそが問われている、とは言えないでしょうか。
宗祖親鸞聖人は自然法爾釈のご和讃に

よしあしの文字をもしらぬひとはみな
まことのこころなりけるを
善悪の字しりがほは
おおそらごとのかたちなり

是非しらず邪正もわかぬ
このみなり
小慈小悲もなけれども
名利に人師をこのむなり

どんなときのどんなあなたも、今いるあなたは、この世にたったひとりのかけがえのない存在です。

十一月の行事
1 日(木)午前10時半~ ピラティス
3 日(祝)午後1時~ おみがき清掃ご奉仕
6 日(火)午後1時半~5時 囲碁教室
9 日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会
報 恩 講
12日(月)午後2時~ 大逮夜

夕方6時~ 御伝鈔拝読
13日(火)午後2時~ 結願日中

ご法話 泉大津 南溟寺 戸次公正師
(お抹茶・お斎のご接待有ります。)
15日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
29日(木)午前10時半~ ピラティス
十二月の行事
2 日(日)日帰りバスツアー
美山「かや葺きの里」「常照皇寺」を訪ねます。
6 日(木)午前10時半~ ピラティス
7 日 (金)午後2時~ 仏教コーラスの会
8 日(土)午後4時~ 祥月講・同朋の会聞法会
ご法話 円明寺 髙島 章師16日(日)午後2時~ おみがき清掃ご奉仕
年末懇親会
20日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
31日(月)夜11時半~ 歳暮勤行・除夜の鐘
*本堂内全てイス席、床暖房完備、どなた様もお気軽に
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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