2018.11.26ブログ
法悦 12月
法 悦 12月号 819号
あなたは
この地球にあなたきり
私は
この地球に私きり
どこのだれもが
ただ一人
おひさまひとつと同じこと
輝け、人間、かけがえのないいのちたち
詞集「たいまつ」より むの たけじ
青色青光
むのたけじさんをご存じですか?
むのたけじ(武野武治)さんは、一昨年八月一〇一歳で亡くなられた、反骨のジャーナリストです。
秋田の貧しい農家で生まれたむのさんは、苦学の末、東京外語大学を卒業、その後、朝日新聞に入社、太平洋戦争には従軍記者として戦地に赴かれました。
そんな中、軍部の圧力に屈し戦争の悲惨な真実が伝えられず、多くの犠牲者を出してしまった。そのことに深い責任を感じ、朝日新聞を退社されました。
その後、地元秋田の横手に帰り、週刊新聞「たいまつ」を三〇年にわたり発行し続けられました。
常にジャーナリストとして矜持をもって、世の動きに目をこらし、亡くなる最後の最後まで、人間の尊厳を踏みにじる最たるものである戦争の絶滅を、命をかけて訴え続けられました。
大無量寿経には「国豊民安、兵戈無用」と、仏の赴かれるところは、一人ひとりの尊厳が保たれ、民が安んじ、兵=軍隊も、戈=武器も要らない、真実の平和な世界がもたらされると説かれています。
しかしながら現実社会は、差別や暴力、不正や不平等がはびこり、絶望的な状況になってきています。
それでも、むのさんは若い人たちの中に、権威や地位、年齢で相手を判断せず、当てにならないものは当てにしないで、友達を一番に大切にし、かつ互いの違いを受け入れ、自立した心を持っている姿を見い出し、待ち望んでいた新しい日本人が生まれてきている「希望は絶望の中にこそある」と、人生の結論に「たいまつ」を見ておられました。
住職日々随想
外国人材の受け入れに関する法律「改正入管法」が、今国会の最重要法案として審議されています。
しかし、ニュース報道もそうですが、外国人の受け入れ、ではなく「外国人材」の受け入れ、という表現が多用されている事がとても気になります。
どちらかといえば、ひとの受け入れではなく、あくまで「材」の受け入れであり、労働者の雇い入れや解雇が、経営者の都合で行ないやすい、有り体に言えば、景気の調整弁としての人材受け入れ枠拡大、そういう意図が透けて見えます。
確かに少子高齢化に伴う労働力不足は、中小企業や地方において深刻ですし、喫緊の課題であることはうなづけるところです。
実際、担い手が見つからなくて、仕事があっても続けることができなくなっている、そんな現場も少なくありません。
本来は日本で技術を習得していただいて、その技術を母国の発展のために活用していただくという、国際貢献としての「技能実習制度」を拡大させる形で、新たに必要に応じ、受け入れ枠を拡大していくという事のようですが、この制度、実際の運用面に於いて、不当な低賃金や長時間労働、差別的待遇、そしてその過酷な状況からの「失踪」など、多くの問題がずいぶん以前から指摘されています。
ところが、そういう問題をなおざりにして、受け入れ枠の拡大で対応しようという、極めて場当たり的な考え方には、とても同意することができません。
単なる世界的な流れという事でなく、実は多種多様な生き方の許される共生社会を願う、という私たちの本気度が問われているとは言えないでしょうか。
私たちの何兆という細胞の中には、ミトコンドリアと呼ばれる細胞のエネルギー源となるものが存在しますが、このミトコンドリアは母親を通じてのみ子孫に受け継がれるという性質を持っています。
そのミトコンドリアを分析することで、対象者がどの遺伝系に属するかが分かるそうです。
そしてその調査の結果、全世界は55.6種類、ヨーロッパ全域は、14の遺伝系から成り立っている事が判明したそうですが、驚くべきことに、この狭い日本列島に全ヨーロッパをも上まわる、実に16もの遺伝系が存在するそうです。
つまり、日本人はもとより単一民族などではなく、多種多様な遺伝系から成る国民だと言え、それは多様な価値観や文化を受容し包摂する、この国が本来持つ豊かさにつながるものであり、強みなのです。
その本来の豊かさに立ち返り、偏狭な考えにとらわれる事なく、移民受け入れの是非を含めて、この国の未来の有り様を、腰を据えて問っていく、そうすべき時に差し掛かっていると、言えるのではないでしょうか。
親鸞聖人は、インド人の天親菩薩の「親」の字と、中国人の曇鸞大師の「鸞」の字を自身の名のりとされました。民族や国の違いを超えた真実を、そのお名前に体しておられる、八百年前から、まさに真の世界人であられたのです。そして私たちは…
坊守便り
十二月の行事
2 日(日)日帰りバスツアー
美山「かや葺きの里」「常照皇寺」を訪ねます。
4 日(火)午後1時半~ 囲碁教室
6 日(木)午前10時半~ ピラティス
7 日 (金)午後2時~ 仏教コーラスの会
8 日(土)午後4時~ 祥月講・同朋の会聞法会
ご法話 円明寺 髙島 章師
16日(日)午後2時~ おみがき清掃ご奉仕
年末懇親会
20日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
31日(月)夜11時半~ 歳暮勤行・除夜の鐘
一 月の行事
8 日(火)午後1時半~ 囲碁教室
11日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会
17日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
20日(日)正午~ 安泉寺新年互礼会
24日(木)午前10時半~ ピラティス
*本堂内全てイス席、床暖房完備、どなた様もお気軽に
あなたは
この地球にあなたきり
私は
この地球に私きり
どこのだれもが
ただ一人
おひさまひとつと同じこと
輝け、人間、かけがえのないいのちたち
詞集「たいまつ」より むの たけじ
青色青光
むのたけじさんをご存じですか?
むのたけじ(武野武治)さんは、一昨年八月一〇一歳で亡くなられた、反骨のジャーナリストです。
秋田の貧しい農家で生まれたむのさんは、苦学の末、東京外語大学を卒業、その後、朝日新聞に入社、太平洋戦争には従軍記者として戦地に赴かれました。
そんな中、軍部の圧力に屈し戦争の悲惨な真実が伝えられず、多くの犠牲者を出してしまった。そのことに深い責任を感じ、朝日新聞を退社されました。
その後、地元秋田の横手に帰り、週刊新聞「たいまつ」を三〇年にわたり発行し続けられました。
常にジャーナリストとして矜持をもって、世の動きに目をこらし、亡くなる最後の最後まで、人間の尊厳を踏みにじる最たるものである戦争の絶滅を、命をかけて訴え続けられました。
大無量寿経には「国豊民安、兵戈無用」と、仏の赴かれるところは、一人ひとりの尊厳が保たれ、民が安んじ、兵=軍隊も、戈=武器も要らない、真実の平和な世界がもたらされると説かれています。
しかしながら現実社会は、差別や暴力、不正や不平等がはびこり、絶望的な状況になってきています。
それでも、むのさんは若い人たちの中に、権威や地位、年齢で相手を判断せず、当てにならないものは当てにしないで、友達を一番に大切にし、かつ互いの違いを受け入れ、自立した心を持っている姿を見い出し、待ち望んでいた新しい日本人が生まれてきている「希望は絶望の中にこそある」と、人生の結論に「たいまつ」を見ておられました。
住職日々随想
外国人材の受け入れに関する法律「改正入管法」が、今国会の最重要法案として審議されています。
しかし、ニュース報道もそうですが、外国人の受け入れ、ではなく「外国人材」の受け入れ、という表現が多用されている事がとても気になります。
どちらかといえば、ひとの受け入れではなく、あくまで「材」の受け入れであり、労働者の雇い入れや解雇が、経営者の都合で行ないやすい、有り体に言えば、景気の調整弁としての人材受け入れ枠拡大、そういう意図が透けて見えます。
確かに少子高齢化に伴う労働力不足は、中小企業や地方において深刻ですし、喫緊の課題であることはうなづけるところです。
実際、担い手が見つからなくて、仕事があっても続けることができなくなっている、そんな現場も少なくありません。
本来は日本で技術を習得していただいて、その技術を母国の発展のために活用していただくという、国際貢献としての「技能実習制度」を拡大させる形で、新たに必要に応じ、受け入れ枠を拡大していくという事のようですが、この制度、実際の運用面に於いて、不当な低賃金や長時間労働、差別的待遇、そしてその過酷な状況からの「失踪」など、多くの問題がずいぶん以前から指摘されています。
ところが、そういう問題をなおざりにして、受け入れ枠の拡大で対応しようという、極めて場当たり的な考え方には、とても同意することができません。
単なる世界的な流れという事でなく、実は多種多様な生き方の許される共生社会を願う、という私たちの本気度が問われているとは言えないでしょうか。
私たちの何兆という細胞の中には、ミトコンドリアと呼ばれる細胞のエネルギー源となるものが存在しますが、このミトコンドリアは母親を通じてのみ子孫に受け継がれるという性質を持っています。
そのミトコンドリアを分析することで、対象者がどの遺伝系に属するかが分かるそうです。
そしてその調査の結果、全世界は55.6種類、ヨーロッパ全域は、14の遺伝系から成り立っている事が判明したそうですが、驚くべきことに、この狭い日本列島に全ヨーロッパをも上まわる、実に16もの遺伝系が存在するそうです。
つまり、日本人はもとより単一民族などではなく、多種多様な遺伝系から成る国民だと言え、それは多様な価値観や文化を受容し包摂する、この国が本来持つ豊かさにつながるものであり、強みなのです。
その本来の豊かさに立ち返り、偏狭な考えにとらわれる事なく、移民受け入れの是非を含めて、この国の未来の有り様を、腰を据えて問っていく、そうすべき時に差し掛かっていると、言えるのではないでしょうか。
親鸞聖人は、インド人の天親菩薩の「親」の字と、中国人の曇鸞大師の「鸞」の字を自身の名のりとされました。民族や国の違いを超えた真実を、そのお名前に体しておられる、八百年前から、まさに真の世界人であられたのです。そして私たちは…
坊守便り
十二月の行事
2 日(日)日帰りバスツアー
美山「かや葺きの里」「常照皇寺」を訪ねます。
4 日(火)午後1時半~ 囲碁教室
6 日(木)午前10時半~ ピラティス
7 日 (金)午後2時~ 仏教コーラスの会
8 日(土)午後4時~ 祥月講・同朋の会聞法会
ご法話 円明寺 髙島 章師
16日(日)午後2時~ おみがき清掃ご奉仕
年末懇親会
20日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
31日(月)夜11時半~ 歳暮勤行・除夜の鐘
一 月の行事
8 日(火)午後1時半~ 囲碁教室
11日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会
17日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
20日(日)正午~ 安泉寺新年互礼会
24日(木)午前10時半~ ピラティス
*本堂内全てイス席、床暖房完備、どなた様もお気軽に
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