2019.06.30ブログ
寺報「法悦」2019年7月
法 悦 7月号 826号
みほとけの
願いの世界は
極 楽
我ら凡夫の
願う世界は
欲 楽
青色青光
ご葬儀の折り、弔電披露で、「天国
(天上界)で安らかに、どうか私たちをお見守
りください。」などと述べられることがよくあります。
世界中にはさまざまな国があり、またそれぞれ独自の宗教や文化を持っていますし、日本国内に限っても、ひとくくりにはできない多様性があります。
しかし、こと仏教におきましては、天上界は人間的欲望の延長線上にある、さまざまな思いの満たされる世界。そうではあっても、いずれ「天人五衰(頭の上の花飾りがしぼむ。羽衣が、ごみや垢で汚れてくる。脇の下に汗をかき、目がしばしばしてくる。御殿にいるのが苦痛になる。)」といわれる時の来る、「迷いの六道」の一つと捉えています。
そして、その衰えに伴う苦しみは、地獄の責め苦の十六倍とも説かれています。まさに、有頂天にあるものが、その立場を失った時に味わう苦しみとも等しいものでしょう。
涅槃経に「諸楽断ずるがゆえに大楽を得る」と説かれています。眼前の快楽や欲望の充足を求めるところに、安らぎはなく、そういう楽を求めないところにこそ、心安らぐ真実の楽があると、お示し下さっているのです。
そのみ教えを鏡とすれば、我ら凡夫は自力によっては救われがたい、まこと愚かな身と知らされます。
住職日々随想
またもや川崎市で連続児童殺傷事件が発生しました。二人の尊い命が奪われ多数のけが人を出し、容疑者もその場で自死するという痛ましいものでした。
容疑者が死亡してしまったので、犯行に至る経過や動機をあきらかにすることが困難になってしまいました。
その事件から程なくして起こった、元厚生労働省事務次官による長男殺害事件も、世間に大きな衝撃を与えました。
両事件に共通する背景に、引きこもりの問題があると指摘する声が、マスコミなどを通じて大量に流されました。引きこもる人々があたかも犯罪予備軍ででもあるかのような、短絡的な見方は偏見を助長するだけの、全く誤ったとらえ方であることは、はっきりとおさえておく必要があります。
しかし、事件を通じて露わになってきた、老齢の親と、長期にわたって引きこもる四、五十代の子どもの、いわゆる8050問題に、世間の関心が集まったことには、意味がありました。
学校で受けたいじめなどが原因で不登校になってしまった若者たち。
バブル崩壊後の就職超氷河期に、就職できなかったいわゆるロスジェネ世代の若者たち。
彼らの多くは世間的によい学校に入って、良い会社に入って、それが幸せと思い育ってきて、いざ二十歳くらいでいきなりはしごを外された、そんな若者たちが引きこもり、その長期化するなか、抜け出す糸口を見失ってしまっている、そんな深刻な問題が浮き彫りにされてきたのです。
また引きこもっている人は、「甘えている、怠けている」と言われたりもしますが、当事者たちは自己肯定感を持つことができず、精神的に激烈な苦しみを感じ続けて、葛藤し、もがき続けていることを見逃してはならないでしょう。
今ひとつ指摘できることは、引きこもっているのではなく、引きこもり=良くない、という世間の見られ方によって「引きこもらされている」という側面のあることです
じつは彼らの問題と言うよりも、この社会に住む私たちが、生きづらさに無感覚になってしまい、生産性の有無などによって、企画に当てはまらない人を排除し、再チャレンジすることのハードルを高くしてしまっているのではないでしょうか?
蓮如上人のご遠忌テーマ「バラバラで
一緒、ちがいを認める世界の発見」を、
今一度問い直したいことです。
七月の行事
2 日(火)午後2時~ 囲碁教室
11日(木)午前10時半~ピラティス
9 日(火)午後2時~ 門徒女性聞法の集い
18日(木)午前10時半時~ピラティス
19日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会
20日(土)午後4時~ 祥月講・同朋の会聞法会
ご法話 専光寺 髙島 洸陽師
25日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
*七月末日まで、本堂大屋根修復工事中ですので、門徒 会館(仮御堂)にお越しください。すべてイス席です。
八月の行事
1 日(木)午前10時半~ピラティス
4 日(日)午後1時~ おみがき清掃ご奉仕
6 日(火)午後2時~ 囲碁教室
盂蘭盆会法要
14日(水)
両日とも 午後1時・3時・7時
15日(木) ご法名書き出してお持ちください。
22日(木)午後2時~仏教民謡踊りの会
23日(金)午後2時~仏教コーラスの会
29日(木)午前10時半~
ピラティス
みほとけの
願いの世界は
極 楽
我ら凡夫の
願う世界は
欲 楽
青色青光
ご葬儀の折り、弔電披露で、「天国
(天上界)で安らかに、どうか私たちをお見守
りください。」などと述べられることがよくあります。
世界中にはさまざまな国があり、またそれぞれ独自の宗教や文化を持っていますし、日本国内に限っても、ひとくくりにはできない多様性があります。
しかし、こと仏教におきましては、天上界は人間的欲望の延長線上にある、さまざまな思いの満たされる世界。そうではあっても、いずれ「天人五衰(頭の上の花飾りがしぼむ。羽衣が、ごみや垢で汚れてくる。脇の下に汗をかき、目がしばしばしてくる。御殿にいるのが苦痛になる。)」といわれる時の来る、「迷いの六道」の一つと捉えています。
そして、その衰えに伴う苦しみは、地獄の責め苦の十六倍とも説かれています。まさに、有頂天にあるものが、その立場を失った時に味わう苦しみとも等しいものでしょう。
涅槃経に「諸楽断ずるがゆえに大楽を得る」と説かれています。眼前の快楽や欲望の充足を求めるところに、安らぎはなく、そういう楽を求めないところにこそ、心安らぐ真実の楽があると、お示し下さっているのです。
そのみ教えを鏡とすれば、我ら凡夫は自力によっては救われがたい、まこと愚かな身と知らされます。
住職日々随想
またもや川崎市で連続児童殺傷事件が発生しました。二人の尊い命が奪われ多数のけが人を出し、容疑者もその場で自死するという痛ましいものでした。
容疑者が死亡してしまったので、犯行に至る経過や動機をあきらかにすることが困難になってしまいました。
その事件から程なくして起こった、元厚生労働省事務次官による長男殺害事件も、世間に大きな衝撃を与えました。
両事件に共通する背景に、引きこもりの問題があると指摘する声が、マスコミなどを通じて大量に流されました。引きこもる人々があたかも犯罪予備軍ででもあるかのような、短絡的な見方は偏見を助長するだけの、全く誤ったとらえ方であることは、はっきりとおさえておく必要があります。
しかし、事件を通じて露わになってきた、老齢の親と、長期にわたって引きこもる四、五十代の子どもの、いわゆる8050問題に、世間の関心が集まったことには、意味がありました。
学校で受けたいじめなどが原因で不登校になってしまった若者たち。
バブル崩壊後の就職超氷河期に、就職できなかったいわゆるロスジェネ世代の若者たち。
彼らの多くは世間的によい学校に入って、良い会社に入って、それが幸せと思い育ってきて、いざ二十歳くらいでいきなりはしごを外された、そんな若者たちが引きこもり、その長期化するなか、抜け出す糸口を見失ってしまっている、そんな深刻な問題が浮き彫りにされてきたのです。
また引きこもっている人は、「甘えている、怠けている」と言われたりもしますが、当事者たちは自己肯定感を持つことができず、精神的に激烈な苦しみを感じ続けて、葛藤し、もがき続けていることを見逃してはならないでしょう。
今ひとつ指摘できることは、引きこもっているのではなく、引きこもり=良くない、という世間の見られ方によって「引きこもらされている」という側面のあることです
じつは彼らの問題と言うよりも、この社会に住む私たちが、生きづらさに無感覚になってしまい、生産性の有無などによって、企画に当てはまらない人を排除し、再チャレンジすることのハードルを高くしてしまっているのではないでしょうか?
蓮如上人のご遠忌テーマ「バラバラで
一緒、ちがいを認める世界の発見」を、
今一度問い直したいことです。
七月の行事
2 日(火)午後2時~ 囲碁教室
11日(木)午前10時半~ピラティス
9 日(火)午後2時~ 門徒女性聞法の集い
18日(木)午前10時半時~ピラティス
19日(金)午後2時~ 仏教コーラスの会
20日(土)午後4時~ 祥月講・同朋の会聞法会
ご法話 専光寺 髙島 洸陽師
25日(木)午後2時~ 仏教民謡踊りの会
*七月末日まで、本堂大屋根修復工事中ですので、門徒 会館(仮御堂)にお越しください。すべてイス席です。
八月の行事
1 日(木)午前10時半~ピラティス
4 日(日)午後1時~ おみがき清掃ご奉仕
6 日(火)午後2時~ 囲碁教室
盂蘭盆会法要
14日(水)
両日とも 午後1時・3時・7時
15日(木) ご法名書き出してお持ちください。
22日(木)午後2時~仏教民謡踊りの会
23日(金)午後2時~仏教コーラスの会
29日(木)午前10時半~
ピラティス
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