2019.11.26ブログ
2019年「法悦」12月
法 悦 12月号 831号
「祝婚歌」 吉野弘
ふたりが睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは長持ちしない事だと
気付いているほうがいい
完璧を目指さないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
ふたりのうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい
立派でありたいとか正しくありたいとか
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光りを浴びているほうがいい
健康で風にふかれながら生きていることのなつかしさにふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ胸が熱くなるのか黙っていても二人にはわかるのであってほしい
青色青光
宮城顗師が、たびたびご法話の中で紹介されていた言葉に、「人間の愚かさとは、何事に対しても答えを持っているという事である。(ミラン・クンデラ)」があります。
私たちは物事の一面のみを捉えて、そこで得た答えを握りしめ、ときに他者を攻撃するための材料にまでする事があります。
しかし、仏教ではそういう有り様こそが、まさに無明(むみょう)であると教えられています。
無明ということは、無知であるという事ではありません。
そうではなく、知識としてわかった事としてしまうところに、心を開いて意に沿わない他者の言葉にも耳を傾け、さらに聞き直し、問い直すという事をしない、そういう頑迷さをこそ言うのです。
上記の詩は、結婚を祝し、その門出に当たって手向けられたものですが、誰もが至らぬ者どうし、その自覚なくして、豊かな人生を歩む事など叶わぬ事なのです。
住職日々随想
言葉は言霊(ことだま)とも言われます様に、発せられたときに命が与えられ、場合によっては、発した人の思いを超えて広がり、時代の空気をも作り出します。
また、言葉は時に人々を励まし癒やすこともありますが、逆に、居場所を奪い、命すら奪うこともあります。
今日SNSなど、ネット上で脊髄反射的に発せられる言葉の数々、その多くが熟考した上でのものでないだけではなく、負の感情むき出しの故に、伝播する早さは想像以上で、結果、社会に多くの毒を垂れ流してしまっています。
「ナチズムはひとつひとつの言葉、言い回し、文脈を通じて大衆の血と肉の中に自然と入り込んでしまっている。そういった言葉は本人になり代わって思考し、精神のあり方まで方向づけてしまう。
じつに言葉はごくわずかなヒ素の一服のようなものかもしれない。無意識に呑み込まれ、なんの効き目も表さないように見えはするが、しばらく時間が経つと、やはりその毒性は現われる」(ユダヤ人言語学者 クレンべラー)
熟考せずその場の感情にまかせて発せられた言葉が、やがてホロコーストをも生み出すものとなるかも知れません。
それ故、危うい言葉の群れに時代を支配されてはならないのです。
およそ仏教では十悪=身口意(しんくい)の三業(さんごう)に渡る罪、すなわち、身業(殺生、偸盗、邪淫)・口業(悪口、両舌、妄語、綺語)・意業(貪欲、瞋恚、愚痴)と称される罪のうち、口に関わっての罪が最も多く説かれます。
まさに、口は災いの元とも言われます様に、いのちの願い如来のご本願に照らされてみれば、それは決して人ごとなどではなく、我が身にも備わる無明性に深く根ざしたものと知らされます。
お念仏を称えつつ
心したいことです。
十二月の行事
1 日(日)午前10時~伝統文化親子教室
1 日(日)日帰りバスツアー「東西本願寺の歴史と三十三間堂を尋ねて」
5 日(木)午前10時半~ピラティス
6 日(金)午後2時~仏教コーラスの会
7 日(土)午後4時~祥月講・同朋の会
ご講師 専光寺 髙島大史師
10日(火)午後2時~門徒女性聞法の集い
12日(木)午後2時~仏教民謡踊りの会
15日(日)午前10時~伝統文化親子教室
15日(日)午後2時~おみがき清掃ご奉仕
午後4時~ 年末懇親会
19日(木)午前10時半~ピラティス
31日(火)午後11時~歳暮勤行除夜の鐘
一月の行事
7 日(火)午後3時~囲碁教室
14日(火)午後2時~仏教民謡踊りの会
19日(日)正 午~同朋の会新年互礼会
参加費3500円
*同朋会年会費1000円もご納入下さい。
23日(木)午前10時半~ピラティス
24日(金)午後2時~仏教コーラスの会
30日(木)午前10時半~ピラティス
*床暖房完備。
どうぞお誘い合わせの上ご参加下さい。
「祝婚歌」 吉野弘
ふたりが睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは長持ちしない事だと
気付いているほうがいい
完璧を目指さないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
ふたりのうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい
立派でありたいとか正しくありたいとか
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光りを浴びているほうがいい
健康で風にふかれながら生きていることのなつかしさにふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ胸が熱くなるのか黙っていても二人にはわかるのであってほしい
青色青光
宮城顗師が、たびたびご法話の中で紹介されていた言葉に、「人間の愚かさとは、何事に対しても答えを持っているという事である。(ミラン・クンデラ)」があります。
私たちは物事の一面のみを捉えて、そこで得た答えを握りしめ、ときに他者を攻撃するための材料にまでする事があります。
しかし、仏教ではそういう有り様こそが、まさに無明(むみょう)であると教えられています。
無明ということは、無知であるという事ではありません。
そうではなく、知識としてわかった事としてしまうところに、心を開いて意に沿わない他者の言葉にも耳を傾け、さらに聞き直し、問い直すという事をしない、そういう頑迷さをこそ言うのです。
上記の詩は、結婚を祝し、その門出に当たって手向けられたものですが、誰もが至らぬ者どうし、その自覚なくして、豊かな人生を歩む事など叶わぬ事なのです。
住職日々随想
言葉は言霊(ことだま)とも言われます様に、発せられたときに命が与えられ、場合によっては、発した人の思いを超えて広がり、時代の空気をも作り出します。
また、言葉は時に人々を励まし癒やすこともありますが、逆に、居場所を奪い、命すら奪うこともあります。
今日SNSなど、ネット上で脊髄反射的に発せられる言葉の数々、その多くが熟考した上でのものでないだけではなく、負の感情むき出しの故に、伝播する早さは想像以上で、結果、社会に多くの毒を垂れ流してしまっています。
「ナチズムはひとつひとつの言葉、言い回し、文脈を通じて大衆の血と肉の中に自然と入り込んでしまっている。そういった言葉は本人になり代わって思考し、精神のあり方まで方向づけてしまう。
じつに言葉はごくわずかなヒ素の一服のようなものかもしれない。無意識に呑み込まれ、なんの効き目も表さないように見えはするが、しばらく時間が経つと、やはりその毒性は現われる」(ユダヤ人言語学者 クレンべラー)
熟考せずその場の感情にまかせて発せられた言葉が、やがてホロコーストをも生み出すものとなるかも知れません。
それ故、危うい言葉の群れに時代を支配されてはならないのです。
およそ仏教では十悪=身口意(しんくい)の三業(さんごう)に渡る罪、すなわち、身業(殺生、偸盗、邪淫)・口業(悪口、両舌、妄語、綺語)・意業(貪欲、瞋恚、愚痴)と称される罪のうち、口に関わっての罪が最も多く説かれます。
まさに、口は災いの元とも言われます様に、いのちの願い如来のご本願に照らされてみれば、それは決して人ごとなどではなく、我が身にも備わる無明性に深く根ざしたものと知らされます。
お念仏を称えつつ
心したいことです。
十二月の行事
1 日(日)午前10時~伝統文化親子教室
1 日(日)日帰りバスツアー「東西本願寺の歴史と三十三間堂を尋ねて」
5 日(木)午前10時半~ピラティス
6 日(金)午後2時~仏教コーラスの会
7 日(土)午後4時~祥月講・同朋の会
ご講師 専光寺 髙島大史師
10日(火)午後2時~門徒女性聞法の集い
12日(木)午後2時~仏教民謡踊りの会
15日(日)午前10時~伝統文化親子教室
15日(日)午後2時~おみがき清掃ご奉仕
午後4時~ 年末懇親会
19日(木)午前10時半~ピラティス
31日(火)午後11時~歳暮勤行除夜の鐘
一月の行事
7 日(火)午後3時~囲碁教室
14日(火)午後2時~仏教民謡踊りの会
19日(日)正 午~同朋の会新年互礼会
参加費3500円
*同朋会年会費1000円もご納入下さい。
23日(木)午前10時半~ピラティス
24日(金)午後2時~仏教コーラスの会
30日(木)午前10時半~ピラティス
*床暖房完備。
どうぞお誘い合わせの上ご参加下さい。
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