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西新宿 彩旬亭

2020.02.11ブログ

法悦 2020年 2月

法 悦 2月号 833号

「退一歩」


忍一時風平浪静

退一歩海濶天空

一時を耐えることによって

風はなぎ、浪も静かになる。

一歩を退くことによって

海も空も広々と拡がっていく


青色青光

目標を立て、実現に向かって前に進むことは、大切なことですし、自らを奮い立たせるためにも必要なことです。
一方、世界は、もっと安楽に、もっと豊かにと、各国・各地域が、それぞれに利潤追求と開発にしのぎを削り、時に戦争という最大の環境破壊まで引き起こしてきました。
そういう有りようが、気候変動やそれに伴う自然災害を急増させてきた、という反省と危機感から、持続可能な社会の実現を目指すために、SDG`Sと称される17の行動目標が、国連サミットで採択され、加盟193ヶ国が取り組むことになりました。
上記の言葉は、中国に伝わることわざで、随分以前に師より賜った言葉です。
何事につけ前に進み事ばかりだと、必ず行き詰まる時がやってきます。しかし一歩退いてみると、袋小路のその手前に、右にも左にも、見過ごしていた違った道を発見することがあります。
今、こういう時代にこそ「退一歩」のところに、足下にもつながる広やかな世界が、見い出されてくるのではないでしょうか。
もうだめだという向こうに「必ず
道あり」、と教え示してくださった
、親鸞さまのみ教えにも通じるのです。

住職日々随想

「去る者は日々に疎し」と言われます。
確かに、一面うなずけるものではありますが、自身の人生にとって大切なひと、かけがえのないひとを亡くした時、むしろ日々その記憶は薄れていくどころか、日増しに、よりしばしば故人との様々な事どもが、存命中よりも鮮明に思い起こされる、ということがあります。
わたし自身も葬儀やご法事、月参りなどで伺った折り、先立たれたあの方この方の事が、様々に思い起こされ、胸が詰まることが多くなりました。
自身の老いが、過去を懐かしむ気持ちを強くさせるのか、そこは定かではないのですが、ある意味、仏事を営むという行為の持てる力ではないのか、とも思われるのです。
故、曽我量深師は「無量無数の先祖が私たちの身の中、心の中に生きている。そして、どうか助かってくれと願っている」とおっしゃっています。
そう、私に掛けられた願いにふれ、諸仏となられた先立たれた方々のご苦労に、頭が下がるということがなければ、この身も先祖も助からず、供養ということも成り立たないことになってしまうのです。
しかしまことに残念ながら、昨今の風潮として、そういう願いに触れる、大切なご縁である仏事が、ややもすれば、軽んじられる傾向があります。
政治学者の中島岳志氏は「仏事が軽視され形骸化している。これは過去との繋がりを失うだけでなく、未来との対話の回路を喪失することを意味する。私たちは今だけを生きているのではない、死者の想起を継承することで、死後の未来を生きることになるのだ。」と、述べておられます。
まさに仏事は蓮如上人が「後生の一大事を心にかけて念仏申せ」とおさとし下さるように、我が身の後世の安楽を願うなどと言う小さなものでなく、後の世、後の人々の道しるべとなるような生き方を、今あなた
はしていますか、と自身に問う大切
な営みなのです。

二月の行事

6 日(木)午前10時半~ピラティス
13日(木)午前10時半~ピラティス
14日(金)午後2時~仏教コーラスの会

15日(土)午後6時~地域懇談会
ご講師 足代健二郎氏

参加費(軽食代)1.000円

18日(火)午後3時~囲碁教室
20日(木)午後2時~仏教民謡踊りの会
25日(火)午後2時~門徒女性聞法の集い

三月の行事

5 日(木)午前10時半~ピラティス
13日(金)午後2時~仏教コーラスの会
17日(火)午後3時~囲碁教室
19日(木)午前10時半~ピラティス

21日(土)午後2時・6時
春季彼岸会永代経法要
ご講師 伊勢 道浄寺 酒井正夫氏

26日(木)午後2時~仏教民謡踊りの会

*4月19日(日)本堂大屋根後修復奉告法要を厳修いたします。どうぞ、ご予定下さいませ。
*春のおみがき清掃ご奉仕は4月12日に行います。
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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