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西新宿 彩旬亭

2021.10.09ブログ

法悦 10月

 法 悦 10月号 853号

  変 換      鈴木章子

 死にむかって
 進んでいるのではない
 今をもらって生きているのだ

 今ゼロであって当然の私が
 今生きている

 ひき算から足し算の変換
 誰が教えてくれたのでしょう
 新しい生命
 嬉しくて 踊っています

 “いのち 日々あらたなり”
 う~ん わかります
   (壽算四十六歳 死の九ヶ月前に)

青色青光  
 私事で恐縮ですが、最近二十歳代の方のご葬儀が続いてしまいました。
もちろん、おいくつで亡くなられても、お身内や親しい方々にとっては、
辛く悲しいことに違いはありませんが、未来を託すべき若者の死には、
特に無念の思いをぬぐい去ることが出来ません。
 しかし、思い起こされますのは、以前若くして伴侶を亡くした友人を
見舞ったとき「ひとは若いのに本当に気の毒だと、慰めてくれるけれど、
俺はそうは思っていない。あいつは若かったけれども、彼女の人生を
全うしよったんや。」と、強がりでなく淡々と語ってくれ、むしろ
見舞いの言葉に詰まるこちら側が、救われた気持ちになれたことでした。
 上記の詩は、北海道の大谷派寺院の坊守、鈴木章子さんが、癌発病から
亡くなられるまでの心の軌跡をまとめられた文集「癌告知のあとで」から
抜粋したものです。
 生かされて生きている、そんな大事なことを忘却して日々過ごしている、
自らの迂闊さが改めて知らされます。

住職日々随想  
 5年前に施行された「ヘイトスピーチ
解消法」によって、ずいぶん少なくはなってきましたが、それでも時折、
ヘイトスピーチの街宣車やデモ隊に出くわすことがあります。 
かなりの大音量で、特定の国やその国の人々の尊厳を否定し、揶揄する
内容が多く、思わず耳を覆いたくなりますが、名指しされ、憎悪の対象と
された人々は、単に不快なだけでなく、より深刻な犯罪や暴力につながる
のではないかと、現実的な身の危険すら感じておられます。
 現在のコロナ禍、誰もが強いストレスを感じ、加えて格差の拡大する中、
家庭内暴力や、通り魔事件なども少なからず発生し、しばしば世間を騒がせ
ています。
 鬱屈した思いが容易にエスカレートし、少数者や子供たちなどに向けられる
事の無いように、社会全体で注意しなければならないのではないでしょうか。
 心理学の実験で、子供たちを青いシャツと黄色いシャツの二つのグループに
分け、三週間ほど競い合わせ、あるときは青グループ、またあるときは黄色
グループと、交互に徹底的にえこひいきを繰り返すと、実験でありながら、
二つのグループはあっという間に分断され、本当に憎み合う様にすらなる
そうです。
 この実験の結果、仲を悪くさせることは、さほど難しくはないと分かった
そうですが、壊された仲を修復することは、容易ではないということも
はっきりしたそうです。
 法句経に「人は黙して座するをそしり、多く語るをそしり、また、少しく語る
をそしる。およそこの世に、そしりを受けざるはなし」とは説かれていますが、
仏教の言葉はどこまでも自覚の言葉、内面の懺悔(さんげ)を抜きにして、
他者に向かって投げつけるべきものではなく、どこまでも私を言い当てて下さる
み教えと、受け取らねばなりません。
 み教えを鏡に、自ら思考し「おかしいことはおかしい」と、明らかに知る知恵
を賜っていかねばなりません。
 さらに「ひとは生まれや育ちによって卑しい尊いが決まるのではない。ひとは
その行いによって卑しい尊いが決まる」と説かれます。心卑しき差別者とならぬ
よう、分断の壁を乗り越えていきたいことです。  

坊守便り 
 ー宗務総長が還浄されましたー   
総長が亡くなられたと訃報が入りました。前任の総長より十歳若く、安泉寺の
住職の二歳年下です。
 六年前に就任された時、いよいよお若い方が大役を務められるのだなあと
思った事です。
 真宗大谷派寺院は全国に、約一万ヶ寺あるといわれます。
コロナ禍で今まで通りに行事を勤めることは出来ませんが、この間にご門主も
交代され、昨年の報恩講の前日に新門首就任式が行われました。
 私はご満座にお参りさせて頂きましたが、親鸞聖人の座像のあるご影堂は
全席イス席で、全職員体制でコロナ対応していました。非常事態宣言下の
大変な日常の一端を垣間見たように感じました。
 総長はご病気が判明したとき、すでに治療は難しかったとのことでした。
 坊守様とは教区の会長どうしとして本山でお会いし、大阪の研修を企画
するとき二度ほど大聖寺のご自坊に伺いました。気さくな方で、総長が
お役でお寺を留守される間、頑張って切り盛りしておられました。
 総長の訃報に接し、様々想いが巡りますが、同年の方を見送ることは
特に寂しいことです。
 限りある命の大切さ、生かされてある命のありがたさを考えさせられた
事でした。

十月の行事
14日(木)午前10時半~ピラティス
16日(土)午後2時~祥月講・同朋の会
      ご講師 圓龍寺 門井 斉師 
28日(木)午前10時半 ~ピラティス
      午後2時~ 仏教民謡踊りの会

十一月の行事
4 日(木)午前10時半~ピラティス
7 日(日)午後1時~おみがき清掃ご奉仕
      報 恩 講
12日(金)午後2時~大逮夜勤行・ご法話
        引き続き 御伝鈔・ご法話
    ご講師 泉大津南冥寺 戸次公正師
*コロナ禍ですので、報恩講を一日に短縮し、お斎のご接待も
 行えませんので、お昼のご 法話に引き続き、御伝鈔拝読を行います。
18日(木)午前10時半~ピラティス
      午後2時~ 仏教民謡踊りの会
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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