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西新宿 彩旬亭

2022.01.26ブログ

2022年2月

 法 悦 2月号 857号
 
 人が犯してはならない三つの間違い

  人は必ず寿命が来たら死にます。
  それは避けられないことです。
  しかし、死ぬことと、
  殺されることは、別のものです。
全く別のものです。

 人を殺すことは、
 間違っている
 人に殺されることを認めることは、
 間違っている
 自分で自分を殺すことは、
 間違っている

   沖縄戦遺骨収集ボランティア
  「ガマフヤー」代表 具志堅 隆松

青色青光

 昨年末の梅田のクリニック放火事件で、知人が無惨な形で命を奪われて
しまいました。
心の病を直そうと、前向きにグループカウンセリングなど治療に励んでいた
矢先のことで、本人もとても良い先生に出会えたと、明るく語っておられた
そうで、知り合いの誰もが大変ショックを受けました。
 罪を憎んで人を憎まず、とは申しますが、事件の容疑者の執拗で周到な
犯行計画が明るみになるにつれ、やり場の無い憤りを感じずにはおられません。
 在家の方ですが、仏教を深く学ばれ、今や私たち僧侶に仏教の講義をして
下さる程になられた、姫路国立病院の小児科医長、梶原敬一先生が、以前の
講演会で「願いをかけられない子供は、生きる力がありません。」と、
おっしゃっておられたことが思い起こされます。
 これをより深く考えてみますと、それは何も子供たちに限ったことではなく
、私たち大人もまた願いをかけられてきたからこそ、今日まで生きてこられた
わけで、まさに例外の無い事実なのです。
 そういった厳然たる事実に目覚め、深く頷く事が出来た時、何かの腹いせに
人を殺してやろう、などとは思いもしないはずです。
 更に言えば、たとえ世界中が私を見捨てても、一切衆生を選ばず嫌わず
見捨てたまわぬ阿弥陀仏だけは、決してお見捨てになる事はないのです。

住職日々随想
 東日本大震災から十一年目を迎えます
が、福島第一原発から程近く、帰還困難地域に指定され、年にのべ
十日間だけ帰還の許されている大熊町で、今なお、当時七歳の娘、
汐凪(ゆうな)さんのご遺骨を探し続けておられる木村紀夫さん
という方がおられます。
 木村さんが大熊町で唯一人の行方不明者である汐凪さんの捜索を
続けるなか、その辺り一帯を放射性廃棄物の中間貯蔵施設にする計画が
国によって提示されました。が、その説明会の場でまだ娘を探し続けて
いると、計画の見直しを申し出たところ、担当者から、そんな事は全く
考慮していなかったと知らされ愕然とされたと、ラジオ番組で
取り上げられました。
 福島と沖縄、同質の問題に気付かれたジャーナリストの
安田菜津紀さんの仲介によって、沖縄で四十年間戦没者の遺骨収集
ボランティアを続けておられる、具志堅隆松さんと出会われ、
正月休みを利用し、一月二日から大熊町で、ご一緒に娘さんの捜索
をされました。
 驚いた事に、小さな遺骨は多少見つかっていましたが、既に
五年以上なんの手がかりもなかった現場で、具志堅さんの見立てに
従って二十分足らず少し掘っただけで、人骨の中で最も大きい
大腿骨を発見されました。
 具志堅さんは「夕凪ちゃんやっと帰れるね。こんなにすぐ見つかった
のは、お父さんと夕凪ちゃんがお互いに呼び合ったからだよ、奇跡だ。」
と、共に涙されました。「東北の震災犠牲者の方は家族の元に帰る
権利がある。天災だけでなく、国策の犠牲者でもある。国や自治体は
最後まで探す努力を怠ってはいけない。遺骨は単なる骨じゃない、
人なんです。」と強調されました。
 具志堅さん達も強く抗議しておられますが、その沖縄では米軍の
新基地建設のため、マヨネーズ状の軟弱地盤を埋める材料として、
少し掘ればいまだにおびただしい数の戦争犠牲者の遺骨が出てくる土を、
土砂として海中に投じ続けるという、非人道的な行為が行われ続けています。
 死者は何度もないがしろにされてはなりません。死者をないがしろにし、
犠牲を容認するような社会は又、生者をもないがしろにする社会に
なってしまうのです。
 多死社会とも言われる現代日本、まともな弔いもせずに死者を見送る
傾向が顕著になってきました。それは又、命を軽んずる社会になってきた
証左かも知れません。立ち止まってよくよく考えるべきではないでしょうか。

坊守便り ー戦争展を開催しますー  
 南御堂の戦争展実行委員をさせていただいております。
昨年は太平洋戦争開戦から八〇年の節目の年でした。一年間に渡り
新聞各紙は戦争にまつわる記憶を特集致しました。
八〇年も前のことですから、戦争体験のある方はだんだん減り、急速に
風化が進んでいるのが現状です。
大阪にも大空襲で被災した歴史があります。
今もJR京橋駅横には、一度に数百人の方々が亡くなった事実を
伝える慰霊碑があります。
 この時の事を、数年前にお参りで伺ったあるお宅で、直接に
お聞きした事がありました。
「女学校の時に、疎開道路を歩いて京橋の工場に通ってました。
帰りに爆撃に遭いました。飛び散ったものが体に刺さって動けなくなり
、道端でそのまま倒れてしまいました、二日ほど経って、父が荷車を
借りて連れて帰ってくれました。」いつも、美味しいお茶でもてなして
下さるその方は、十分な薬もなく長く患い、戦後もずっと重い後遺症に
苦しまれたとの事でした。
そのお話をお聞きして、大阪空襲の悲惨さが実感を伴って身に迫りました。
普通の市民の日常を突然奪う戦争は、決して繰り返してはいけない事を
歴史に学び、今日に生かす為に、毎年大阪空襲の始まった頃に展示を
行っています。三月九日には、映画上映と講演も企画しています。
広くご覧頂きたい事です。

二月の行事               
19日(土)午後2時~祥月講・同朋の会 
ご講師 円明寺 髙島章師
24日(木)午前10時半~ピラティス 
      午後2時~仏教民謡踊りの会
三月の行事
10日(木)午前10時半~ピラティス
24日(木)午前10時半~ピラティス 
      午後2時~仏教民謡踊りの会
19日(土)午後2時~春季彼岸会永代経法要
      ご講師 伊勢道浄寺 酒井正夫師
  *コロナ禍の現状を鑑み、お斎接待は行わず、お昼の
     座のみとさせていただきます。
*感染予防には十分配慮し、各行事を行ってまいりますが、
 感染がさらに拡大した場合、変更もしくは中止する場合がございます。
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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