2022.04.26ブログ
法悦 5月
法 悦 5月号 860号
ハチドリのひとしずく (南米アンデスの民話)
森が燃えていました
森の生き物たちは
われ先にと逃げていきました
でもクリキンディという名の
ハチドリだけは
行ったり来たり
くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます。
まわりの動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
と言って笑います
クリキンディはこう答えました
「わたしは
わたしにできることをしているだけ」
青色青光
美しい羽毛に覆われ、飛ぶ宝石とも言われるハチドリ(ハミングバード)は、もっとも小さい
ものでは2グラムにも満たない、花の蜜を主食とする愛らしい小鳥です。
上記の民話は、そんな小さなハチドリのひとしずくなどでは、大きな山火事を消すことなど
出来っこないと馬鹿にする森の仲間たちを尻目に、自分に果たしうることを無心に果たす、
そのことの尊さを伝えています。
連日ほぼリアルタイムに報じられる、ロシア軍によるウクライナ侵攻のもたらす惨劇に、
胸が痛みます。ありとあらゆる犯罪行為が行われ、生活破壊や重大な環境破壊、家族の離散を
もたらし、あまりにも多くの人々の心身に、生涯癒えることの無い深い傷を与え続ける戦争、
その一日も早い終結が強く願われます。
この民話は、悲劇を前に私一人の力などは何ほどのこともないと諦め、立ちすくむ私たちに
、願いに生きることの大切さを思い出させてくれます。
住職日々随想
宝林宝樹微妙(みみょう)音
自然清和(じねんしょうわ)の
伎楽(ぎが く)にて
哀婉雅亮(あいえんがりょう)すぐれたり
清浄楽(しょうじょうがく)を帰命せよ
七宝樹林くににみつ
光曜(こうよう)たがいにかがやけり
華菓枝葉(けかしよう)またおなじ
本願功徳聚(くどくじゅ)を帰命せよ
清風(しょうふう)宝樹をふくときは
いつつの音声(おんじょう)いだしつつ
宮商和して自然(じねん)なり
清浄勲を礼(らい)すべし
ー浄土和讃ー
この三首のご和讃は、お浄土の木々のすぐれた徳を表され、願生浄土を勧められたものです。
曰くお浄土の木々はそれぞれ七宝で出来ています。そこを薫風が吹き渡るとき、微かな音が
聞こえます。よくよく耳を澄ましてみると、およそ娑婆世界に於いては不協和音となる音も
、それはそれは見事なハーモニーとなって奏でられています。
そのような木々がお浄土に充ち満ちて、互いに照らし合っています。花や果実はもちろん、
枝葉一つ一つに至るまで、阿弥陀仏のご本願の功徳の集りでないものはありません、と。
今も時折、耳をつんざくような大音量で軍歌を流したり、特定の国や国民を誹謗する
スピーチを行うデモに出くわすことがありますが、大声で叫ばれれば叫ばれるほど、発言者の
意に反して耳をふさぎたくなってしまいます。
お浄土の宝林宝樹のお譬えは、心静かに耳を澄ませば、真実ならばストンと胸に落ちる、
逆に大声で他者の口を封じたり、力ずくで押さえつけて我意を遠そうとすることは、
むしろ分断をもたらし、対立の構図しか生み出さない。そのことの愚かさを示唆しているとは
言えないでしょうか。
坊守便り
ー聖徳太子一四〇〇年御聖忌法要ー
今年は聖徳太子が亡くなられて一四〇〇年にあたり、ゆかりのある寺院ではそのご遺徳を
お偲びし、報恩感謝の為の法要が順次勤められています。
「和」を以て物事にあたるという、日本人の精神は太子の影響を大きく受けていることです。
親鸞聖人も太子の仏教の心を礼讃し、二〇〇首以上のご和讃を残しておられます。
安泉寺でも太子のお姿が本堂内陣に掛けられ、おまつりしています。
四天王寺では一〇〇年に一度の大法要が四月二十二日に円成となり、結願法要が行われました。
当日は参道列が本坊から出発し、境内を練り歩き、最後に美しく装飾された石舞台に至る、
仏教伝来の歴史たどる一大絵巻がございました。
私は依頼を頂き、法要に出仕される方々の鎌倉時代の直垂を着付けさせていただきました。
この日は十二時から篝火をたく二十時までの法要ですので出番に合わせてお着付けしました。
当寺副住職も童舞(わらべまい)をしておりましたので、小学生のころは石舞台で六年間
舞わせて頂いたことがあり、感慨深い春の日の一日となりました。
五月の行事
12日(木)午前10時半~ピラティス
21日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
ご講師 武庫川念仏寺 土井紀明師
26日(木)午前10時半~ピラティス
午後2時~仏教民謡踊りの会
六月の行事
5 日(日)午後1時半~ 女性会
オカリナコンサート
9 日(木)午前10時半~ピラティス
18日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
ご講師 光照寺 墨林 浩師
23日(木)午前10時半~ピラティス
午後2時~仏教民謡踊りの会
*感染予防には十分配慮し、各行事を行ってまいりますが、感染がさらに拡大した場合、
変更もしくは中止する場合がございます。
ハチドリのひとしずく (南米アンデスの民話)
森が燃えていました
森の生き物たちは
われ先にと逃げていきました
でもクリキンディという名の
ハチドリだけは
行ったり来たり
くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます。
まわりの動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
と言って笑います
クリキンディはこう答えました
「わたしは
わたしにできることをしているだけ」
青色青光
美しい羽毛に覆われ、飛ぶ宝石とも言われるハチドリ(ハミングバード)は、もっとも小さい
ものでは2グラムにも満たない、花の蜜を主食とする愛らしい小鳥です。
上記の民話は、そんな小さなハチドリのひとしずくなどでは、大きな山火事を消すことなど
出来っこないと馬鹿にする森の仲間たちを尻目に、自分に果たしうることを無心に果たす、
そのことの尊さを伝えています。
連日ほぼリアルタイムに報じられる、ロシア軍によるウクライナ侵攻のもたらす惨劇に、
胸が痛みます。ありとあらゆる犯罪行為が行われ、生活破壊や重大な環境破壊、家族の離散を
もたらし、あまりにも多くの人々の心身に、生涯癒えることの無い深い傷を与え続ける戦争、
その一日も早い終結が強く願われます。
この民話は、悲劇を前に私一人の力などは何ほどのこともないと諦め、立ちすくむ私たちに
、願いに生きることの大切さを思い出させてくれます。
住職日々随想
宝林宝樹微妙(みみょう)音
自然清和(じねんしょうわ)の
伎楽(ぎが く)にて
哀婉雅亮(あいえんがりょう)すぐれたり
清浄楽(しょうじょうがく)を帰命せよ
七宝樹林くににみつ
光曜(こうよう)たがいにかがやけり
華菓枝葉(けかしよう)またおなじ
本願功徳聚(くどくじゅ)を帰命せよ
清風(しょうふう)宝樹をふくときは
いつつの音声(おんじょう)いだしつつ
宮商和して自然(じねん)なり
清浄勲を礼(らい)すべし
ー浄土和讃ー
この三首のご和讃は、お浄土の木々のすぐれた徳を表され、願生浄土を勧められたものです。
曰くお浄土の木々はそれぞれ七宝で出来ています。そこを薫風が吹き渡るとき、微かな音が
聞こえます。よくよく耳を澄ましてみると、およそ娑婆世界に於いては不協和音となる音も
、それはそれは見事なハーモニーとなって奏でられています。
そのような木々がお浄土に充ち満ちて、互いに照らし合っています。花や果実はもちろん、
枝葉一つ一つに至るまで、阿弥陀仏のご本願の功徳の集りでないものはありません、と。
今も時折、耳をつんざくような大音量で軍歌を流したり、特定の国や国民を誹謗する
スピーチを行うデモに出くわすことがありますが、大声で叫ばれれば叫ばれるほど、発言者の
意に反して耳をふさぎたくなってしまいます。
お浄土の宝林宝樹のお譬えは、心静かに耳を澄ませば、真実ならばストンと胸に落ちる、
逆に大声で他者の口を封じたり、力ずくで押さえつけて我意を遠そうとすることは、
むしろ分断をもたらし、対立の構図しか生み出さない。そのことの愚かさを示唆しているとは
言えないでしょうか。
坊守便り
ー聖徳太子一四〇〇年御聖忌法要ー
今年は聖徳太子が亡くなられて一四〇〇年にあたり、ゆかりのある寺院ではそのご遺徳を
お偲びし、報恩感謝の為の法要が順次勤められています。
「和」を以て物事にあたるという、日本人の精神は太子の影響を大きく受けていることです。
親鸞聖人も太子の仏教の心を礼讃し、二〇〇首以上のご和讃を残しておられます。
安泉寺でも太子のお姿が本堂内陣に掛けられ、おまつりしています。
四天王寺では一〇〇年に一度の大法要が四月二十二日に円成となり、結願法要が行われました。
当日は参道列が本坊から出発し、境内を練り歩き、最後に美しく装飾された石舞台に至る、
仏教伝来の歴史たどる一大絵巻がございました。
私は依頼を頂き、法要に出仕される方々の鎌倉時代の直垂を着付けさせていただきました。
この日は十二時から篝火をたく二十時までの法要ですので出番に合わせてお着付けしました。
当寺副住職も童舞(わらべまい)をしておりましたので、小学生のころは石舞台で六年間
舞わせて頂いたことがあり、感慨深い春の日の一日となりました。
五月の行事
12日(木)午前10時半~ピラティス
21日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
ご講師 武庫川念仏寺 土井紀明師
26日(木)午前10時半~ピラティス
午後2時~仏教民謡踊りの会
六月の行事
5 日(日)午後1時半~ 女性会
オカリナコンサート
9 日(木)午前10時半~ピラティス
18日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
ご講師 光照寺 墨林 浩師
23日(木)午前10時半~ピラティス
午後2時~仏教民謡踊りの会
*感染予防には十分配慮し、各行事を行ってまいりますが、感染がさらに拡大した場合、
変更もしくは中止する場合がございます。
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