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西新宿 彩旬亭

2022.05.27お知らせ

法悦 6月

 法 悦 6月号 861号


 こうして

 こうすりゃ

 こうなるものと

 知りつつ

 こうして

 こうなった

        都々逸

青色青光
 歌手・コメディアン植木等の父親、植木徹誠は妻の実家である
三重県の大谷派寺院の住職でした。
 正義感の強い性格で、近隣の被差別部落の苦しみ悲しみにふれ、
、反戦反差別の行動を貫いた人でした。
 戦時中にも出征兵士の激励会で「元来宗教家は戦争に反対すべき
ものである。」との信念から、「戦争というものは集団殺人だ。
それに加担させられることになったわけだから、なるべく戦地では弾の
こないような所を選ぶように。周りから、あの野郎は卑怯だとかなんだとか
言われたって、絶対、死んじゃだめだぞ。必ず生きて帰ってこい。
死んじゃっちゃあ、年を取った親父やお袋はどうなる。
それから、出来ることなら相手も殺すな。」などと説き、何度も治安維持法
違反で投獄されました。
 植木等がスーダラ節を売り出すとき、こんな自堕落な歌を父が聴いたら
どう言うだろうと、思い悩んだ末、びくびくしながら父徹誠に聞かせると、
父は「わかっちゃいるけどやめられない。これは自らの凡夫としての愚かさを
問い続けた親鸞様の教えそのものや。」と感激され、自信を持って歌えと
励まされたそうです。
 「分かっちゃいるけどやめられない」と愚行を繰り返す私たち。
まさに凡夫の自覚に立ちながら、身と世を問い続けなけらばならないのです。

住職日々随想
 めまぐるしく情報が行き交い、次々と人々の関心事が移ろい過ぎて
いく現代社会、「人の噂も七十五日」と言われますが、ややもすれば
ひと月も持たず、わずかな間に上書きされ、そういえばそんな事も
あったなぁと、忘却の彼方に追いやられてしまうそんな事の多さに
驚かされます。
 私事ですが九歳でお得度を受け、僧侶のお仲間に入れていただいてから
はや五十五年。僧侶仲間や諸先輩方、たくさんのご門徒の方々のお育てに
預かり今日まで参りましたが、それこそ二世代前の方々などは、まるで
昨日のことのように、何十年も前にあったことを語られる、という事が
よくありました。
 今でも鮮明に思い出されますのは「ぼん、堀江の七人切り知ってるか?
(*実際は六人切り)」と繰り返しお聞かせいただいたことです。
 曰く、昔、色町であった堀江で明治三十八年、芸妓の妻吉は養父中川萬次郎の
狂刃により、六人斬り事件に巻き込まれ、十七歳で両腕を切り落とされて
しまった。
しかし悲運に屈せず、筆を口にくわえ、多くのすぐれた書画作品を残し、
後には尼僧となって、障害者福祉にも尽力されたという、大石順教尼
という方のお話でした。
当時でもすでに八十年近くも前の話を、まるで昨日のことのように語られていた
わけで、現代と引き比べ、時間感覚の変化の激しさに、思わず考えさせられて
しまいます。
 お釈迦様のみ教えは、お経として文字化され、今なお私たちの心の闇を照らし
続けていますが、お経は古代インドのサンスクリット語でシュートラ、
タテ糸という意味があり、時代社会を超えて、途切れる事無く伝えられるように
との願いが託され表されています。
 現代社会に生きる私たちも、大切なことを伝え続ける努力を怠らず、
おかしいことはおかしい、と言い続ける責務があるといえましょう。
まさにおかしいことが当たり前の世の中になってしまわぬように。

坊守便り ー植木の剪定ー  
 美しい春の花の時期が終わると、お寺の境内では毛虫や蚊に悩まされる
毎日がやってきます。
 同朋会定例法話会の準備をしながら、いつも集って下さる方に声をかけますと、
早速有志の方が来て下さいました。
新緑の青葉も少し虫付いていましたので、すっぱりと切り落とし、木々の
下刈りも出来ました。
最後に自然由来の防虫剤を隅々まで振りかけて仕上がりました。
皆さん、すっかり汗をかかれました。ご協力有り難うございました。
また、庭木に新芽が出てくるのが楽しみです。
こんな時必ず参加して下さる総代夫人の倉橋美代子さんが、先月亡くなりました。
めんどうな手作業や重い荷物の買い出しに声をかけない時は、「聞いてな~い」
「うち、声かからんかった」と後から怒られました。
 いつも賑やかな声で本堂の場を盛り上げて下さいました。一ヶ月ほどお会い
しない間に急な骨折から亡くなりました。本堂でご葬儀を行わせて頂き、
同朋会員も参加してお通夜に正信偈を唱えて見送らせて頂きました。さみしい事です。
 「うちのお寺」「うちの雅美(坊守)さん」と「うち(家)」のなかにお寺が入って
いる方でした。なつかしい口調を思い出し、有り難いご縁を大切に思うことです。

六月の行事
5 日(日)午後1時半~ 第6回女性のつどい
             オカリナコンサート
9 日(木)午前10時半~ピラティス

18日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
ご講師    光照寺 墨林 浩師
23日(木)午前10時半~ピラティス 
      午後2時~仏教民謡踊りの会
七月の行事
7 日(木)午前10時半~ピラティス

9 日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
     ご講師 未定
28日(木)午前10時半~ピラティス 
      午後2時~仏教民謡踊りの会
*感染予防には十分配慮し、各行事を行って
 まいりますが、感染がさらに拡大した場合、
 変更もしくは中止する場合がございます。
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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