2023.03.31ブログ
法悦 4月
法 悦 4月号 871号
この星
地球
この大地
この自然は
先祖から
譲り受けたものではなく
我々が
ほんのしばらくの間
子孫から
借りているものなのだ
ネイティブアメリカン ナバホ族のことわざ
青色青光
1962年に生物学者・作家のレイチェル・カーソンが、DDTをはじめと
する殺虫剤や農薬の生態系に与える影響の深刻さを告発し、著した「沈黙の春」
は時代を超えるベストセラーとなり、以降、環境問題が世界的な運動に発展
していきました。
そのような流れの中、キリスト教旧訳聖書『創世記』に「生めよ、ふえよ、
地に満ちよ、地を従わせしめよ、海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての
生き物を治めさせよ」と、神が万物の霊長として、世界の支配権を人間に与え
られたと説かれている教えに反し、環境運動の高まりに伴ってアメリカ先住民、
ネイティブ・アメリカンの伝統的な思想や自然観が脚光を浴びる事となりました。
上記のことわざもその一例ですが、元来、土地の私有という概念のなかった
彼らは、「大地は共同体にいのちを与え、そのいのちを存続させていくもの。
しかも大地は七世代後の子孫から、今借りているもの、次の世代には、無傷で
最良の形で残していかねばならない」と。
その姿勢は、仏教の「経」はタテ糸、連続無窮に、後の世の人々に伝え続け、
無量のいのち耀く浄土を願わしめる為にこそある、という思想に通じるもの
なのです。
住職日々随想
東日本大震災発生に伴う福島第一原子力発電所の事故から十二年、地震や
火山活動、その他自然災害の絶え間ない我が国において、一旦事故が起これば
取り返しのつかない事態に陥る原発、そんな原発に依存しない社会を目指そう
というのが、多くの国民の思いではなかったでしょうか?
しかし、複雑に利権の絡み合った原発に比べ、すぐには利益に結びつかない、
再生可能エネルギーの推進に積極的でなかった政府は、エネルギー価格の高騰
を理由に、まともな議論もせず、原発再稼働や運転期間の大幅延長、はては
原発新増設まで目指すという方針を打ち出しました。
調査報道記者、日野行介氏は著書「原発再稼働ー葬られた過酷事故の教訓」で、
岸田政権が急に脱原発の方針を転換した、と多くの国民は誤解しているが、
実は事故後すぐに再稼働有りきで、オブラートに包むようにして進められてきた
種々の施策が、ここにきて開き直ってあからさまにされてきただけで、初めから
何も変わっていない、と。
事故後に設置された「原子力規制委員会」も、再稼働しなければ「規制」
する必要もないわけで、多くの国民の脱原発の期待とは裏腹に、新基準を
満たした原発に「再稼働のお墨付き」を与える事が目的で、当初から脱原発の
ための委員会ではないと、目から鱗の事実を指摘しています。
また、放射性廃棄物の最終処分をどうするかのめどもなく、30年の期限を
つけて「中間貯蔵」を進めています。
更には、どう考えても不可能に思える、百万人近くに及ぶ住民の緊急避難
計画も、再稼働しなければ必要のないもので、進むも地獄、退くも地獄、
どうしようも無いと思考停止に陥った末作成された、非現実的なものなのだ、と。
そのような中、事故からわずか4年5ヶ月の2015年8月に、新基準を
満たしたからと、九州川内原発1号機が再稼働しましたが、これを皮切りに、
いつの間にか何基もの原発は動いている、という事実の前に、国民の多くが
徐々にならされ、それこそ半減期二万年とも言われる放射性物質に比して、
私達の記憶は五年と持たないのか、急速な風化と相まって、傍観者のように
なってしまっているというのが現状ではないでしょうか?
親鸞聖人は「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろずのこと、みな
もって、そらごとたわごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまこと
にておわします。」と、今だけ、ここだけ、自分だけと、「おのれよければ
すべてよし」の、虚仮不実のわが身を、念仏と共に、まことの世界に帰れと
お諭し下さっています。
坊守便り
ー本山慶賛法要団体参拝ー
本年三月二十五日から四月二十九日まで東本願寺では慶讃法要が勤まり
ます。宗祖親鸞聖人のご誕生と立教開宗を讃える御仏事です。
安泉寺でも三月二十五日に有志を募り、近隣の同派の寺院連合でお参り
させて頂きました。
バスの車中では、聖人の求道のご生涯を解り易くまとめたDVDを
鑑賞し、京都国立博物館にて当日初日の、親鸞聖人特別展を見学
しました。関東、北陸、各地から選りの見応えある展示物の数々でした。
その後、本山の名勝庭園・渉成園にて、見頃の桜に出迎えられて、
ひととき春の風情をみんなで楽しみました。
お昼には大寝殿で京料理老舗、泉仙の慶讃法要弁当を頂き、阿弥陀堂
にて記念法要に遇わせて頂きました。
先の法要で修復の終わった光り輝く御堂です。
聖人ご木像のある御影堂と二つのお堂で、ご門主と長男の新門さんが
同時にお勤めなさいました。この事もお二人おられてこその試み。
頼もしい事です。
境内では旧知の職員方と再会しました。それぞれの裏方がこころを
込めて全国の皆さんを待ち受ける、そんな思いの伝わる本山参拝でした。
四月の行事
9 日(日)午後2時~4時 花まつり子ども会
お話読み聞かせ・ゲーム他 参加費無料
午後6時~記念コンサート
アルボリビエント・MarieLouise他
チケット 3.000円
門徒前売り 2.000円
13日(木)午前10時半~ピラティス
15日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
ご講師 円明寺ご住職 髙島章師
24日(月)午前10時半~ピラティス
五月の行事
18日(木)午前10時半~ピラティス
20日(土)午後2時~琵琶演奏を聴く集い
「石の枕」その他 野田孝子さん
25日(月)午前10時半~ピラティス
*感染予防には十分配慮し、各行事を行いますが、感染が
さらに拡大した場合、変更もしくは中止する場合がございます。
この星
地球
この大地
この自然は
先祖から
譲り受けたものではなく
我々が
ほんのしばらくの間
子孫から
借りているものなのだ
ネイティブアメリカン ナバホ族のことわざ
青色青光
1962年に生物学者・作家のレイチェル・カーソンが、DDTをはじめと
する殺虫剤や農薬の生態系に与える影響の深刻さを告発し、著した「沈黙の春」
は時代を超えるベストセラーとなり、以降、環境問題が世界的な運動に発展
していきました。
そのような流れの中、キリスト教旧訳聖書『創世記』に「生めよ、ふえよ、
地に満ちよ、地を従わせしめよ、海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての
生き物を治めさせよ」と、神が万物の霊長として、世界の支配権を人間に与え
られたと説かれている教えに反し、環境運動の高まりに伴ってアメリカ先住民、
ネイティブ・アメリカンの伝統的な思想や自然観が脚光を浴びる事となりました。
上記のことわざもその一例ですが、元来、土地の私有という概念のなかった
彼らは、「大地は共同体にいのちを与え、そのいのちを存続させていくもの。
しかも大地は七世代後の子孫から、今借りているもの、次の世代には、無傷で
最良の形で残していかねばならない」と。
その姿勢は、仏教の「経」はタテ糸、連続無窮に、後の世の人々に伝え続け、
無量のいのち耀く浄土を願わしめる為にこそある、という思想に通じるもの
なのです。
住職日々随想
東日本大震災発生に伴う福島第一原子力発電所の事故から十二年、地震や
火山活動、その他自然災害の絶え間ない我が国において、一旦事故が起これば
取り返しのつかない事態に陥る原発、そんな原発に依存しない社会を目指そう
というのが、多くの国民の思いではなかったでしょうか?
しかし、複雑に利権の絡み合った原発に比べ、すぐには利益に結びつかない、
再生可能エネルギーの推進に積極的でなかった政府は、エネルギー価格の高騰
を理由に、まともな議論もせず、原発再稼働や運転期間の大幅延長、はては
原発新増設まで目指すという方針を打ち出しました。
調査報道記者、日野行介氏は著書「原発再稼働ー葬られた過酷事故の教訓」で、
岸田政権が急に脱原発の方針を転換した、と多くの国民は誤解しているが、
実は事故後すぐに再稼働有りきで、オブラートに包むようにして進められてきた
種々の施策が、ここにきて開き直ってあからさまにされてきただけで、初めから
何も変わっていない、と。
事故後に設置された「原子力規制委員会」も、再稼働しなければ「規制」
する必要もないわけで、多くの国民の脱原発の期待とは裏腹に、新基準を
満たした原発に「再稼働のお墨付き」を与える事が目的で、当初から脱原発の
ための委員会ではないと、目から鱗の事実を指摘しています。
また、放射性廃棄物の最終処分をどうするかのめどもなく、30年の期限を
つけて「中間貯蔵」を進めています。
更には、どう考えても不可能に思える、百万人近くに及ぶ住民の緊急避難
計画も、再稼働しなければ必要のないもので、進むも地獄、退くも地獄、
どうしようも無いと思考停止に陥った末作成された、非現実的なものなのだ、と。
そのような中、事故からわずか4年5ヶ月の2015年8月に、新基準を
満たしたからと、九州川内原発1号機が再稼働しましたが、これを皮切りに、
いつの間にか何基もの原発は動いている、という事実の前に、国民の多くが
徐々にならされ、それこそ半減期二万年とも言われる放射性物質に比して、
私達の記憶は五年と持たないのか、急速な風化と相まって、傍観者のように
なってしまっているというのが現状ではないでしょうか?
親鸞聖人は「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろずのこと、みな
もって、そらごとたわごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまこと
にておわします。」と、今だけ、ここだけ、自分だけと、「おのれよければ
すべてよし」の、虚仮不実のわが身を、念仏と共に、まことの世界に帰れと
お諭し下さっています。
坊守便り
ー本山慶賛法要団体参拝ー
本年三月二十五日から四月二十九日まで東本願寺では慶讃法要が勤まり
ます。宗祖親鸞聖人のご誕生と立教開宗を讃える御仏事です。
安泉寺でも三月二十五日に有志を募り、近隣の同派の寺院連合でお参り
させて頂きました。
バスの車中では、聖人の求道のご生涯を解り易くまとめたDVDを
鑑賞し、京都国立博物館にて当日初日の、親鸞聖人特別展を見学
しました。関東、北陸、各地から選りの見応えある展示物の数々でした。
その後、本山の名勝庭園・渉成園にて、見頃の桜に出迎えられて、
ひととき春の風情をみんなで楽しみました。
お昼には大寝殿で京料理老舗、泉仙の慶讃法要弁当を頂き、阿弥陀堂
にて記念法要に遇わせて頂きました。
先の法要で修復の終わった光り輝く御堂です。
聖人ご木像のある御影堂と二つのお堂で、ご門主と長男の新門さんが
同時にお勤めなさいました。この事もお二人おられてこその試み。
頼もしい事です。
境内では旧知の職員方と再会しました。それぞれの裏方がこころを
込めて全国の皆さんを待ち受ける、そんな思いの伝わる本山参拝でした。
四月の行事
9 日(日)午後2時~4時 花まつり子ども会
お話読み聞かせ・ゲーム他 参加費無料
午後6時~記念コンサート
アルボリビエント・MarieLouise他
チケット 3.000円
門徒前売り 2.000円
13日(木)午前10時半~ピラティス
15日(土)午後2時~祥月講・同朋の会聞法会
ご講師 円明寺ご住職 髙島章師
24日(月)午前10時半~ピラティス
五月の行事
18日(木)午前10時半~ピラティス
20日(土)午後2時~琵琶演奏を聴く集い
「石の枕」その他 野田孝子さん
25日(月)午前10時半~ピラティス
*感染予防には十分配慮し、各行事を行いますが、感染が
さらに拡大した場合、変更もしくは中止する場合がございます。
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