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西新宿 彩旬亭

2023.06.27ブログ

法悦 7月

 法 悦 7月号 874号

  
 染香人(せんこうにん)の

 その身には
   
 香気(こうげ)あるが

 ごとくなり

 これをすなわち

 なづけてぞ

 香光荘厳(こうこうしょうごん)と

 もうすなる

   浄土和讃
                  
青色青光
 世界的な気候変動に伴い、積乱雲が線状に次々に発生する、災害を
もたらしかねないような集中豪雨域を「線状降水帯」と言いますが、
今まで聞いたこともなかった気象用語を耳にすることが増えました。
 それら耳新しい用語の中に暑熱馴化(しょねつじゅんか)があります。
暑い気候に長時間さらされることにより、身体が徐々に暑さに適応して
いくことを指します。
 梅雨時のじめじめとした蒸し暑さは不快なものですが、この不快な
時期に、汗をかき、しっかりと汗腺を開いておかないと、真夏を迎えても
適切に体温調節ができず、熱中症になる危険が高まるらしく、この鬱陶しい
季節もなければならないものと、改めて知らされました。
 その昔、平安貴族の人たちには、気に入った香を衣服に焚きしめ、ほのかに
その人ならではの薫を漂わせるという、薫修(薫習)という雅びな風習が
あったそうです。
 しかし、だからといって、いかに気に入った香であったとしても、一気に
薫り付けをしようとすると、かえって焦げ臭くなってしまうそうで、何事につけ
日々、徐々に徐々に、たゆまず続けていくことの大切さを知らされます。 
 同じ事が真宗門徒の日暮らしにも言えます。日々お内仏に真向かい、心静かに
お念仏を申す生活の中で、少しずつ少しずつ、仏祖の願いがしみこんで、
知恩報徳の思いが芽生え、やがてはその人のお人柄とまでなって、あらわに
なってくると言われるのです。

住職日々随想

政府は行政サービスの一層の効率化と、利便性の向上を図るという名目のもと、
マイナンバーカード普及に、躍起になって取り組んでいます。
 しかしこの間、この事業を巡って様々な不具合が噴出し、保険証や銀行口座、
そのほか運転免許証など、様々な個人情報を紐付けし、政府が一元管理すると
いう方向で進められていますが、残念ながら、そのことに対する不安がますます
高まっています。
 いつ何を購入したか、どのような医療を受けたか、どういうところに行った
か等々、紐付けされる情報が多ければ多いほど、確かに行政サービスなどを
受けるとき、利便性が高まることもあるでしょうが、場合によっては誰にも
知られたくないような個人情報も、政府に差し出すことになってしまいます。
 政府や行政に対する絶対の信頼があるというならば、それも納得できること
かもしれません。しかし、国民の側からは、どこまでの情報が把握されている
のか見えません。
 一方的に見られている、見られているのではという憶測は、見られる側の
行動に自然、萎縮効果を生み出します。
 その典型的な例が、菅義偉元首相の学術会議委員任命拒否の件です。
今に至るまでも6名の委員拒否の理由が明らかにされないため、政権批判とも
捉えられない発信したからではないか等々、様々な憶測を呼び、学術会議委員や
次期委員候補者達に、明らかな萎縮効果をもたらしました。
 情報の一方通行がもたらす、こういった弊害を見るにつけ、実際見られて
いなくても見られているのではないかという想いが人々の行動を縛り、
為政者に従順な物言わぬ多数を生み出していくのではないか、と危惧せざる
を得ません。
行政サービスの利便性向上云々よりも、政権の本来の意図がそこにこそある
のでは、と想われてなりません。
 未来の子供達のためにも、一部の権威主義的な国のような、まともに物言えぬ
国にならないよう、注意が必要です。 阿弥陀如来が法蔵菩薩として、兆載永功
のご修行をなさるとき、師である「世自在王仏」のみもとにおいて、四十八の
無上殊勝の誓願を発起されたとあります。
 「世において自在なる王仏、自らに存在根拠を持つ仏」ここに表現されている
自在とは、あらゆる制約や束縛から解放され、自由に行動し選択する意欲に
他なりません。
 以前、ご本山の宗祖七百五十回御遠忌のテーマが「バラバラで一緒、違いを
認める世界の発見」とありましたが、自在な状態を求めるためには、互いの
違いを認め合える社会でなければならないのです。
 そこに於いてこそ、異なる意見や経験、対話や相互理解の場が重要な役割を
果たし、個々人は自身のアイディアや才能を自由に発揮し、他者との交流を
通じて人間的成長や、豊かな創造性を獲得していくことができるのです。
 まさに浄土の光に照らされる世界とは、自由な発想や行動をどこまでも
受け止める、真に豊かな世界なのです。

坊守便り

ー 第四十六回 大阪教区同朋大会 ー^  
 コロナ禍により開催できなかった大阪教区の同朋大会が三年ぶりに行われ
ました。
 今回各寺院からの参加は一名程度という制限があり、従来とまったく違う
募集に戸惑いましたが、大会スタッフも智慧をしぼっておられての事と推察
いたしました。
 大会当日が近づくにつれ若干の追加募集があり、同朋会の現役員さんの方々に
お声がけし、ご参加いただきました。
同朋の声の発表をされた教区内のご門徒さんと、法話のご講師の先生は大会
中止となる三年前に、お願いしていた方々ですが、こころよくお引き受け頂いた
とのことでした。
ご輪番からは「ようやくマスクを外して、顔と顔を合わせての生活が始まって
いきます。」と喜び溢れるご挨拶がありました。
ご講師の伊藤元先生は、はるばる九州からお越しになりました。九〇歳近い
ご年齢ですが、今もかくしゃくとしておられ、全国から出講要請の引きも切ら
ない方です。
大会テーマは「私たちは何を求めて生きているのだろうか?」です。
私達にとって本当に豊かに生きるという事は物に恵まれた生活ではなく、
生きがいを持ち、生きる意欲の持てる、本当に生きたと言える人生だと、
様々な切り口からお話をいただきました。
 まさに今、コロナ禍を越えての新しい毎日の始まりです。

七月の行事

1 日(土) 午後2時~ 祥月講・同朋の会聞法会
 ご法話 武庫川念仏寺住職 土井紀明師
6 日(木) 午前10時半~ ピラティス
20日(木) 午前10時半~ ピラティス

八月の行事

3 日(木) 午前10時半~ ピラティス
6 日(日) 午後1時~ おみがき・清掃ご奉仕

 盂蘭盆会法要
14日(月)午後1時・午後3時・夕方7時半
15日(火)午前10時・午後1時 (計五座)
    *詳細につきましては改めてご連絡申し上げます。
24日(木) 午前10時半~ ピラティス
*お盆明け16日より20日まで、当寺よりの月参りは
 お休みとさせていただきます。

*感染予防には十分配慮し各行事を行いますが、感染が再拡大した場合、
 変更もしくは中止する場合事があります。ご承知おきくださいませ。
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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