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西新宿 彩旬亭

2023.08.30ブログ

法悦 9月

023年9月
 法 悦 9月号 876号

 祖先というものは
 いつでも自身のなかにある
 祖先が自分に於いて生きている
 だからそれは我が業
 我が宿業
 我が責任である
 だから自分自身が助かれば
 祖先も助かる
 自分だけが助かるのではありません
 自分が仏法を信じ
 念仏を称え
 本願を信じて助かれば
 祖先が又助かる
 一切の祖先が
 どうかおまえ助かってくれと
 願っているのである
     「私たちにとっての祖先」曽我量深師
青色青光
 上記の文章は、真宗大谷派の碩学、
曽我量深師の講義録からのものです。
 単純に計算しても、ひと一人につき血のつながった親が必ず二人います。
そして、それぞれの親にも又二人の親があり、とさかのぼっていくと
一〇代で1024人、二〇代で104万8576人、
三〇代で21億4748万3646人、四〇代さかのぼれば、
2兆1990億2325万5550人と、一代およそ25年として
四〇代で1000年、それだけでも現在の全世界の人口を遙かに上回る
人数の、直系のご先祖がおられたことになります。
 そのうちの誰一人が欠けても、今の私は存在し得ないわけですし、生命の
起源までさかのぼっていけば、まさに無量無数のご先祖がおられてこその、
我が身であると知られ、驚嘆せざるを得ません。
 世界中の仏教徒にとって共通の誓いである「三帰依文」の冒頭は、
「人身(にんじん)受け難し、今すでに受く。仏法聞き難し、今すでに聞く」
とあり、あまたある生き物の中でも人の身を受けること、さらに人間成就の
道である仏法に出遇うことが、まさに難中の難、奇跡とも言えるものだ、
という認識から始まっています。
 他の誰でもない、我が身「いちにん」が仏法に出遇い、人間を成就して
いくことが祖先の願いであり、私が救いを願うに先立って、既にして
願いを懸けていて下さるのです。

住職日々随想

 生きる望みがありません
 私は死にます ごめんなさいお母さん
 と、二人の少女が鉄道自殺した
 それは彼女たちが十七の今日まで
 『人身受けが難し』の一言を ただ一言を
 誰からも聞かされなかった不運であった
      宇野正一

 長期休暇明けは、自死される方が増える傾向が顕著な為、職場や
教育現場などでは、小さな予兆を見逃さない慎重さが求められます。
 特に未来を担うべき子ども達が、生きる希望を失ってしまう事など
ないよう、しっかり寄り添う必要があります。
 ユニセフ(国連児童基金)が2020年に公表した報告書「子ども
たちに影響する世界」によると、日本の子どもの精神的幸福度は、
先進38か国中37位と極端に低く、教育制度を含めた、子ども達の
育つ環境を改善するよう、勧告が出されています。
 ことに子ども達の自尊感情が十分に育っていない事が、国内における
アンケートからも明らかになっています。
 私たちは、ややもすると他との比較に於いて、自信を持ったり無くし
たり、一喜一憂いたしますが、およそ仏教に於いては、他と比較する心を、
いずれも「慢心」として戒めています。
 他と比較して高上がりする「驕慢」、その逆に、自分なんかはだめだと
自己軽蔑する「卑下慢」、そして、あんたも私もチョボチョボや、
とする小ずるい「等慢」、そのいずれもが、正しい心の持ちようではない
とされるのです。
 よく「根拠無き自信」など話にならないと退けられますが、より深く
観てみますと、優劣などを根拠とする自信は、その支える根拠が失われた
とき、一気に失われてしまうものでもあるのです。
 そう思い至れば、根拠を他に求める自信ではなく、「自らを深く信ずる信」
がなければならないことに気付かされます。
 それはむしろ自身のうちに見いだすもの、というよりも
我が身を支え続けてきてくださった、いのちの歴史に頭が下がるところに
こそ見いだされるものと言えます。    
 歎異抄に「弥陀の五劫(無限の時間をかけた)思惟の願をよくよく案ずれば、
ひとえに親鸞いちにんがためなりけり。されば、そくばくの(数え切れない
ほどの)業をもちける身にてありけるを、たすけんとおぼしめしたちける
本願のかたじけなさよ」と、親鸞様が常々おっしゃっておられたとあります。
 阿弥陀様の「えらばず、きらわず、みすてない」お心が掛けられてあるのは、
他の誰でもない我が身であった、という感動がそこには込められていますし、
それは又、諸仏となられた先達の方々の願いを受け継ぐ事でもあるのです。

坊守便り

 ー盂蘭盆会お勤めしましたー    
夏が近づくと盂蘭盆会の準備が始まります。
 今年は山門の提灯が痛んで来たこともあり境内の提灯掛けと合わせて
新しく用意しました。
法要は二日間で五座が勤まります。
初回のお勤めは参加のご希望が多く、今年も感染症が広がっている情報を
聞いて、ご都合に合わせて振り分けさせて頂きました。
お盆には故郷に帰り亡き方に思いをはせられます。
安泉寺にも必ずご連絡くださる方があり、嬉しいことです。遠くに引っ越
されたけれど、ご縁の深かったあの方、この方のお顔を思い浮かべながら
楽しみにしています。 
 おじい様が毎夏お手伝いしてくださったお宅のお孫さんが結婚され、
双子の赤ちゃんと一緒にお参りくださいました。春には生まれて間のない
二人が花まつりにお越し下さり、花御堂の前で沢山写真を撮りました。
 この夏にはハイハイしかけて本堂でお参りくださいました。
お寺参りが受け継がれて、何より嬉しいことでした。


九月の行事

7 日(木) 午前10時半~ ピラティス

 秋季彼岸会永代経法要   
16日(土) 午後2時・夕6時 
ご講師 阿倍野 即応寺 藤井善隆師

21日(木) 午前10時半~ ピラティス

十月の行事

5 日(木) 午前10時半~ ピラティス

19日(木) 午前10時半~ ピラティス

21日(土) 午後2時~  祥月講・同朋の会
ご講師     圓龍寺  門井 斉師

*感染予防には十分配慮し各行事を 行いますが、感染が拡大した場合、
 変更もしくは中止する場合事が あります。ご承知おきください。
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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