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西新宿 彩旬亭

2024.02.26ブログ

法悦 3月

法 悦 3月号 882号

「私たち高校生にできることはありま
せんか? 自宅待機はもういやです。」

岡山県総社市の高校一年生

シンガーソングライターのさだまさしさんは大災害があると、支援物資を
積んで現地に歌いに行く。揶揄されても「偽善活動」だと笑って。
2018年の西日本豪雨災害の時、総社市長宛てにこんなツィートが
届いたと知る。
市長は即刻「市役所に手伝いに来て下さい」と返した。
翌朝千人のの中高生が集結し、「市政が悪くてデモが起きたか」と市長が
慌てたとか。               『さだの辞書』
朝日新聞  鷲田清一「折々のことば」より

青色青光

元日に発生した能登半島地震から、はや二ヶ月、各自治体からの応援職員の
派遣や、災害ボランティアの段階的受け入れも始まり、ようやく復興に向けて
の動きが本格化してきました。
しかし上下水道などのライフラインの復旧までには、多くの困難が残され、
長期の避難生活を強いられる方々も少なくありません。
上記の文章は、朝日新聞に連載されている哲学者、鷲田清一氏のコラム
からの抜粋です。
あびせられる中傷に対して「慈善活動」ではなく、「偽善活動」と
軽やかに言ってのける、さだまさしさんの姿勢は実にすがすがしいものです。
また、高校生の故郷の復旧に力を尽くしたいという思いと、市長さんの
勘違いが、大変な状況のなかでの、ほっと心和まされる一幕です。
仏教で菩薩の精神を表す言葉として「安危共同(あんきぐどう)」があります。
安き時、楽しい時だけでなく、危難にあえぐ時にこそ、自然に身が動き
寄り添う、共に支えあう真実の共同体を求める心が、何より尊いものなのです。

住職日々随想

今回最大四メートルもの地盤隆起が起こり、港も道路も使用不能となった、
能登半島北端の珠洲市。
この地に関西・中部・北陸の電力会社三社の原発建設計画が発表されたのが
1976年、関電が高屋地区に、中部電が寺家(じけ)地区に、それぞれ
100万キロワット級の大型原発を建てる計画でしたが、地元の大谷派僧侶・
塚本真如(まこと)さんを中心に、住民らが反対運動を展開しました。
当初反対だった住民の半分が、札束にものをいわせる電力各社に懐柔される
など、町が真っ二つに分断されるなか、四半世紀に及ぶ粘り強い運動と電力
需要の伸び悩みにより、計画は2003年に凍結されました。
今回の地震の後、塚本さん方には遠近各地より「よくぞ原発建設を止めて
下さった」とお礼の連絡があったそうです。
志賀原発も福島の事故以来運転を停止していましたが、直下に活断層がある
との指摘も受けており、もし運転していたら能登半島全域のみならず、日本は
もとより、他国にまで深刻な放射能汚染をまき散らしていたに違いないと
考えられ、ぞっといたします。
世界中で発生する地震の二割以上が集中する我が国はまた、54基の原発の
存在する、世界第4位の原発大国でもあります。
かくも危険なものと人間は共存できません。にもかかわらず、福島の事故で
私たちはいったい何を学んだのでしょうか?
エネルギー価格の高騰もあり、原発再開を容認する世論がじわじわと増加
しています。
放射能は、核種によっては何万年も汚染し続けるというのに、我々の忘却の
スピードはあまりに早いと言わざるを得ません。
ずいぶん以前にもご紹介させて頂いたのですが、現復興大臣の高木毅氏の
亡父で、元敦賀市長を16年間勤められた高木孝一氏が、1983年に羽咋市で
行った原発講演会に、なぜ原発がやめられないのかその理由の一端が伺えます。
*以下、発言中、不適切な差別表現も含まれますが、発言内容そのまま、事実に即して記載いたします。

「…まあそんなわけで、短大は建つわ、高校はできるわ、50億円で運動公園は
できるわね。火葬場はボツボツ私も歳になってきたから、これも今あのカネで
計画しておる、といったようなことで、そりゃあもうタナボタ式の街作りが
できるんじゃなかろうか、と、そういうことで私は皆さんに(原発)を
お薦めしたい。これは(私)信念を持っとる、信念!
…えー、その代わりに100年たって片輪が生まれてくるやら、50年後に
生まれた子どもが全部片輪になるやら、それはわかりませんよ。わかりません
けど、今の段階では(原発を)おやりになった方が良いのではなかろうか…
こういう風に思っております。どうもありがとうございました。」
(会場大拍手)
思わず絶句してしまいそうになる発言ですが、私たち凡夫の無明の闇は限りな
く深い。
それ故、阿弥陀様は無量の慈悲で兆歳永劫のご修行を成就されたのです。

真宗入門  「合掌」

お参りをするときには手を合わせますが、それはなぜなのでしょうか?
私たちは、人に会ったときや別れのときには挨拶をします。いろいろな挨拶が
ありますが、仏さまへの挨拶は礼拝と呼ばれ「合掌(=手のひらを合わせる)」
もその一つの方法です。
合掌は、インドなどでは昔から行われていて、仏教とともに日本に入ってきた
ようです。インドでは、今でも人と会ったときに互いに合掌して「ナマステー」
と言います。「ナマス」には「南無」、「テー」は「あなたに」という意味で、
「南無あなたに(=あなたに礼拝します)」という「うやまい」の心を表す
作法です。
このようにインドでは、合掌という作法はもともと仏教が起こる以前から
あり、それが仏教徒の中でも行われるようになったのです。
真宗の教えをいただくものは、ご本尊・阿弥陀如来の前で合掌して、
「南無阿弥陀仏」と唱えます。
真宗門徒の生活は、合掌をもって始まると言ってよいでしょう。
真宗門徒にとって合掌は礼拝にとどまらず、阿弥陀如来の呼びかけと
それに応えるお念仏の心が表された形なのです。

法語の味わい
ー法語カレンダー三月号よりー

別離の涙に
倶会一処の浄土あり

『仏説阿弥陀経』に「倶会一処」とあります。ともに一処であうという意味で、
お浄土で先に往かれた方とまた会わせていただくということです。
大切な亡き人を見送った悲しみに寄り添って下さる阿弥陀様のお言葉です。
この事は大切なその方を見送ったあなたに、おくやみの言葉をくださり、
「見送ったこちらはさみしくなりますが、亡きあの方は、今ごろお浄土で
なつかしい人に沢山出迎えてもらって、賑やかにされてることでしょうね」
と言ってくださいます。
かの方が亡くなり、初めて響いてくる仏様のお言葉を頂くことです。
かの方を偲ぶ私に身を以て届けて下さった事です。

坊守便り ー地域懇親法話の集いー

「節談説教を聞く会」
地域懇親法話の集いを開催させて頂きました。本年は節談説教という特徴の
ある法話をされるご講師・園家信勇師にお越し頂きました。
節談説教は古くから浄土真宗のご法座で伝承され、親しまれきたもので、
高座に登った説教師が、話の中に独特の節回しを付け聴衆の感情を高揚させ
ながら語るお説教です。
その独特なスタイルは、落語や講談などの今日の「語り芸」の原点とも言える
ものです。
浄土真宗の根本的なお話を聞くと共に、落語などの演芸に通じるような
語り口を楽しみました。
外陣の門徒さんは、講師の導きで、合図をされた時に、合掌して「南無阿弥陀仏
、南無阿弥陀仏」と皆で声を出して「受けの念仏」を唱えます。講師との
掛け合いで、楽しい参加型のご法座と言えましょう。
地域懇親法話のつどいも開催から10年となります。この間、旧村の役員さん
・村の保存会の皆さんにもご参加頂き、また、本年は生野区交流サイトにも
案内をあげさせて頂き参加頂きました。
日ごろお寺にご縁はなくても、ご法座にお越しになりたい方は多く
おられます。
どなた様も是非お気軽にご参加下さいね。

三月の行事

7 日   (木)午前10時半~ ピラティス

10日(日)午後1時~ おみがき清掃ご奉仕

16日(土)午後2時~ 春季彼岸永代経法要
ご講師 伊勢 道浄寺 酒井正夫師

21日(木)午前10時半~ ピラティス

四月の行事

4 日(木)午前10時半~ ピラティス

7 日(日)午前10時~午後1時 花祭り子ども会
お子様には軽食などもご用意いたします。
25日(木)午前10時半~ ピラティス

*四月の同朋の会は花祭りに振り替えます。
大人の方もぜひご参加下さい。
*能登地震被災者支援の募金をお預かりしております。
ご協力宜しくお願い申し上げます。
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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