2024.07.30ブログ
法悦 8月
法 悦8月号 887号
愚かものとて
愚かを知るは
まだし賢し
賢しと思う
愚かものは
まこと愚かなもの
とは言わめ
青色青光
仏教に於いて「愚」とは無知や無明を指しますが、人間の苦しみの根本原因
とされています。
そして、この無知・無明を克服する為に説かれたものが「戒(かい)定(じよう)
慧(え)」の三学であり(戒)道徳的な行動(定)こころの集中(慧)深い理解の
三つで、具体的には「八正道(はっしょうどう)」や「六波羅蜜(ろくはらみつ)」
といわれる実践徳目をもって説かれています。
この三学を修して、苦悩からの解放を目指し、悟りを得ることが、お釈迦様の
説かれたみ教えの要、全ての仏教者の究極の目標であり、無数の僧侶が、
それこそ命がけでこの目標の達成の為、修行を重ねてきました。
が、その達成はあまりに困難でした。
親鸞聖人は生涯、師、法然上人の「浄土宗のひとは愚者になりて往生す。」
のお言葉を憶念し続けられ、 宿業のわが身に立ち帰り立ち帰り、「そんな
お前をこそ救わん」という阿弥陀様の大悲に乗託して、身の事実を受け止め
生きる勇気を賜りながら、愚(ぐ)禿(とく)親鸞の名乗りと共に「愚に還る」
その道を歩まれたのです。
住職日々随想
おのおの十余か国のさかひをこえて、身命(しんみょう)をかへりみずして、
たづねきたらしめたまふ御こころざし、ひとへに往生極楽のみちを問ひ
きかんがためなり
歎異抄第二章より
夏休みに入ってすぐの7月22日、日本の大動脈、東海道新幹線が、
夜間作業中の保守作業車同士の衝突事故により、浜松・名古屋間が始発から
終日運休となり、約35万人の足に多大な影響を与えました。
以前はお父様の月命日、そして今は昨夏亡くなられたお母様の月命日に、
はるばる埼玉からほぼ毎月、ご実家に帰ってこられるご門徒さんがおられます。
なにもトラブルが無くても5時間以上掛かるのに、その日はなんと16時間
以上も掛けて帰ってこられました。
まったくそのご苦労と真摯さに頭が下がります。
前記の文章は親鸞聖人の晩年のお弟子、唯円様が聖人亡き後、共にみ教えを
学んだ同行の中に、聖人の仰せに違う意見が生まれ、教団が混乱している現状を
痛んで、聖人のご遺訓を著された「歎異抄」からの抜き書きです。
ここに言われる十余か国のさかいとは、常陸から出発して下総・武蔵・相模
・伊豆・駿河・遠江・三河・尾張・伊勢・近江・山城の各関所を越え、京都の
聖人のところまでの、徒歩でおよそ片道四十日の道のり。
鎌倉幕府黎明期のこの時代、治安も悪く野盗も跋扈し、旅館などもない中での
命がけの道中であったに相違ありませんが、そんな危険を冒してまでも、様々な
法難や異義による混乱の解決を求めて、聖人の元へ訪ねてこられたお弟子方に
向かい「いろいろお尋ねになろうとしておられるようですが、あなた方の来ら
れたそのまことのお志は、ただ、往生極楽の道を求めてに他なりません。」と、
言い切られ、ただ念仏して仏願力に乗じて往生する、それしかないことを、
法然上人とご自身との出遭いの感動を語って諭されました。
ややもすれば私たちは月命日の法要などを、ただ故人を偲んで営んでいる
ように思っていますが、より深く観てみますと、そこには仏さまからの志願の
促しにふれ、先立たれた方々と、仏事を通して自然と真向かい合い、つながって
いる事実に気付かされます。
この死者と生者のつながりがあってこそ、私たちの心もこの世に根を下ろし、
思うに任せぬ人生であったとしても、力強く歩む事が出来るのです。
真宗入門「お内仏のお給仕」
ー真宗大谷派お内仏・平常のお荘厳ー
仏花・花瓶には生花を用い、いつも生き生きとした状態を保つよう心がけ
ましょう。
仏さまにお花をお供えする習慣は古く、お釈迦様のご誕生を祝う「花まつり」
で御堂を色とりどりの花で飾ったり、仏さまを讃嘆供養するため本堂での
お勤めの時、芭(はなびら)をまき散らす散華(さんげ)がなされたりします。
また、お経には仏様のおられるお浄土の世界は、花があふれた世界だと
説かれています。
ですから、仏花とは、そのような仏の世界を表したものであるということが
言えます。
花瓶(かひん)にお供えする仏花には生花を用います。
いずれ枯れていく様に、生あるものは必ず死に行くという、いのちの無常なる
相を私達に知らしめています。
基本の形は、松や檜の枝を真にして、季節の木花草花を取り混ぜて挿します。
ただし、毒花、とげのある花、依頼心を表すつるに咲く花はさけましょう。
上卓(うわじょく)の華瓶(けびょう)には、花でなく樒を用います。樒は
香気があり、粉末にしてお香の材料にも使われるものです。
法語の味わい ー法語カレンダー8月号よりー
ねぇ戦争って楽しいの?
幼な子の質問に絶句!
8月になると長崎・広島の原爆投下記念日、終戦記念日がやってきます。
不戦平和への思いを確認すると共に、先の戦争により亡くなった方々に弔意を
表します。今年は終戦80年の節目の年となります。
戦争の記憶のある世代がだんだんと少なくなっていくからでしょうか、
この数年、世界には深刻な戦争が頻発しています。
日々テレビの映像から飛び込んでくる戦争を目にした幼稚園児の言葉が
8月のカレンダーになっています。
このあと、この子供さんは「戦争をする人は地球上から消えてほしい」とも
言っています。戦争は相手の存在の全否定です。この子の言葉も正しい事を
言っているように思われますが、相手を全否定しています。
こうして争いが繰り返されているのかもしれません。
ー坊守便りー
-プレEXPOいくのマンスリーヒートアップー
生野区で万博を身近に感じ、その面白さを体験できるようにと、2025
大阪・関西万博の開催期間中に合わせて、生野区独自の万博「EXPOいくの」
を開催しようという企画がスタートしています。
安泉寺も『いつも何か取り組んでいますね。参加しませんか?』と、
運営スタッフの方から声をかけて頂きました。
まずは、演奏・演技・飲食・会場の提供をする人たちが、一斉に
ミーティングを行うとの事で参加させていただきました。
このたびで第6回目だったようです。
まず飲食を提供される方が、各飲食店を回るポイントラリーの参加店舗を
募集されました。
また、コンサートを行う方が、会場で飲食を提供するマルシェを8店
募集されました。
安泉寺では、9月29日にジャズのコンサートと、サックスを演奏する
中高生その他の集いを企画中です。
是非ご参加下さい。
八月の行事
1 日(木)午前10時半~ ピラティス
4 日(日)午後1時~ おみがき
清掃ご奉仕
盂蘭盆会法要
14日(水)午後1時 ・午後3時・夕方7時
15日(木)午前10時・午後1時 (計五座)
22日(木)午前10時半~ ピラティス
九月の行事
12日(木)午前10時半~ ピラティス
19日(木)午前10時半~ ピラティス
21日(土)午後2時~ 秋季彼岸永代経法要
ご講師 阿倍野 即応寺 藤井善隆師
29日(日)午後3時~ 秋のジャズ鑑賞会
愚かものとて
愚かを知るは
まだし賢し
賢しと思う
愚かものは
まこと愚かなもの
とは言わめ
青色青光
仏教に於いて「愚」とは無知や無明を指しますが、人間の苦しみの根本原因
とされています。
そして、この無知・無明を克服する為に説かれたものが「戒(かい)定(じよう)
慧(え)」の三学であり(戒)道徳的な行動(定)こころの集中(慧)深い理解の
三つで、具体的には「八正道(はっしょうどう)」や「六波羅蜜(ろくはらみつ)」
といわれる実践徳目をもって説かれています。
この三学を修して、苦悩からの解放を目指し、悟りを得ることが、お釈迦様の
説かれたみ教えの要、全ての仏教者の究極の目標であり、無数の僧侶が、
それこそ命がけでこの目標の達成の為、修行を重ねてきました。
が、その達成はあまりに困難でした。
親鸞聖人は生涯、師、法然上人の「浄土宗のひとは愚者になりて往生す。」
のお言葉を憶念し続けられ、 宿業のわが身に立ち帰り立ち帰り、「そんな
お前をこそ救わん」という阿弥陀様の大悲に乗託して、身の事実を受け止め
生きる勇気を賜りながら、愚(ぐ)禿(とく)親鸞の名乗りと共に「愚に還る」
その道を歩まれたのです。
住職日々随想
おのおの十余か国のさかひをこえて、身命(しんみょう)をかへりみずして、
たづねきたらしめたまふ御こころざし、ひとへに往生極楽のみちを問ひ
きかんがためなり
歎異抄第二章より
夏休みに入ってすぐの7月22日、日本の大動脈、東海道新幹線が、
夜間作業中の保守作業車同士の衝突事故により、浜松・名古屋間が始発から
終日運休となり、約35万人の足に多大な影響を与えました。
以前はお父様の月命日、そして今は昨夏亡くなられたお母様の月命日に、
はるばる埼玉からほぼ毎月、ご実家に帰ってこられるご門徒さんがおられます。
なにもトラブルが無くても5時間以上掛かるのに、その日はなんと16時間
以上も掛けて帰ってこられました。
まったくそのご苦労と真摯さに頭が下がります。
前記の文章は親鸞聖人の晩年のお弟子、唯円様が聖人亡き後、共にみ教えを
学んだ同行の中に、聖人の仰せに違う意見が生まれ、教団が混乱している現状を
痛んで、聖人のご遺訓を著された「歎異抄」からの抜き書きです。
ここに言われる十余か国のさかいとは、常陸から出発して下総・武蔵・相模
・伊豆・駿河・遠江・三河・尾張・伊勢・近江・山城の各関所を越え、京都の
聖人のところまでの、徒歩でおよそ片道四十日の道のり。
鎌倉幕府黎明期のこの時代、治安も悪く野盗も跋扈し、旅館などもない中での
命がけの道中であったに相違ありませんが、そんな危険を冒してまでも、様々な
法難や異義による混乱の解決を求めて、聖人の元へ訪ねてこられたお弟子方に
向かい「いろいろお尋ねになろうとしておられるようですが、あなた方の来ら
れたそのまことのお志は、ただ、往生極楽の道を求めてに他なりません。」と、
言い切られ、ただ念仏して仏願力に乗じて往生する、それしかないことを、
法然上人とご自身との出遭いの感動を語って諭されました。
ややもすれば私たちは月命日の法要などを、ただ故人を偲んで営んでいる
ように思っていますが、より深く観てみますと、そこには仏さまからの志願の
促しにふれ、先立たれた方々と、仏事を通して自然と真向かい合い、つながって
いる事実に気付かされます。
この死者と生者のつながりがあってこそ、私たちの心もこの世に根を下ろし、
思うに任せぬ人生であったとしても、力強く歩む事が出来るのです。
真宗入門「お内仏のお給仕」
ー真宗大谷派お内仏・平常のお荘厳ー
仏花・花瓶には生花を用い、いつも生き生きとした状態を保つよう心がけ
ましょう。
仏さまにお花をお供えする習慣は古く、お釈迦様のご誕生を祝う「花まつり」
で御堂を色とりどりの花で飾ったり、仏さまを讃嘆供養するため本堂での
お勤めの時、芭(はなびら)をまき散らす散華(さんげ)がなされたりします。
また、お経には仏様のおられるお浄土の世界は、花があふれた世界だと
説かれています。
ですから、仏花とは、そのような仏の世界を表したものであるということが
言えます。
花瓶(かひん)にお供えする仏花には生花を用います。
いずれ枯れていく様に、生あるものは必ず死に行くという、いのちの無常なる
相を私達に知らしめています。
基本の形は、松や檜の枝を真にして、季節の木花草花を取り混ぜて挿します。
ただし、毒花、とげのある花、依頼心を表すつるに咲く花はさけましょう。
上卓(うわじょく)の華瓶(けびょう)には、花でなく樒を用います。樒は
香気があり、粉末にしてお香の材料にも使われるものです。
法語の味わい ー法語カレンダー8月号よりー
ねぇ戦争って楽しいの?
幼な子の質問に絶句!
8月になると長崎・広島の原爆投下記念日、終戦記念日がやってきます。
不戦平和への思いを確認すると共に、先の戦争により亡くなった方々に弔意を
表します。今年は終戦80年の節目の年となります。
戦争の記憶のある世代がだんだんと少なくなっていくからでしょうか、
この数年、世界には深刻な戦争が頻発しています。
日々テレビの映像から飛び込んでくる戦争を目にした幼稚園児の言葉が
8月のカレンダーになっています。
このあと、この子供さんは「戦争をする人は地球上から消えてほしい」とも
言っています。戦争は相手の存在の全否定です。この子の言葉も正しい事を
言っているように思われますが、相手を全否定しています。
こうして争いが繰り返されているのかもしれません。
ー坊守便りー
-プレEXPOいくのマンスリーヒートアップー
生野区で万博を身近に感じ、その面白さを体験できるようにと、2025
大阪・関西万博の開催期間中に合わせて、生野区独自の万博「EXPOいくの」
を開催しようという企画がスタートしています。
安泉寺も『いつも何か取り組んでいますね。参加しませんか?』と、
運営スタッフの方から声をかけて頂きました。
まずは、演奏・演技・飲食・会場の提供をする人たちが、一斉に
ミーティングを行うとの事で参加させていただきました。
このたびで第6回目だったようです。
まず飲食を提供される方が、各飲食店を回るポイントラリーの参加店舗を
募集されました。
また、コンサートを行う方が、会場で飲食を提供するマルシェを8店
募集されました。
安泉寺では、9月29日にジャズのコンサートと、サックスを演奏する
中高生その他の集いを企画中です。
是非ご参加下さい。
八月の行事
1 日(木)午前10時半~ ピラティス
4 日(日)午後1時~ おみがき
清掃ご奉仕
盂蘭盆会法要
14日(水)午後1時 ・午後3時・夕方7時
15日(木)午前10時・午後1時 (計五座)
22日(木)午前10時半~ ピラティス
九月の行事
12日(木)午前10時半~ ピラティス
19日(木)午前10時半~ ピラティス
21日(土)午後2時~ 秋季彼岸永代経法要
ご講師 阿倍野 即応寺 藤井善隆師
29日(日)午後3時~ 秋のジャズ鑑賞会
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