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西新宿 彩旬亭

2024.09.01ブログ

法悦 9月

法 悦9月号 888号


過去に目を閉ざす者は

結局のところ

現在にも盲目となります。

非人間的な行為を

心に刻もうとしない者は、

またそうした危険に

陥りやすいのです。

1985 年5 月8 日「荒れ野の40年」
ヴァイツゼッカー ドイツ連邦大統領演説より

青色青光
陸前高田の「奇跡の一本松」をご存じでしょうか?
東日本大震災の大津波により、幅二キロ約七万本の白砂青松の名勝、高田松原が
消失してしまいました。
が、そんな大災害にも耐え奇跡的に一本残ったのは、樹齢174年樹高28
メートルの赤松の交雑種でした。
見上げるようなその松は、残念ながら震災翌年には塩害により枯れてしまい
ましたが、復興のシンボルとして後世に残したいという人びとの熱意により、
防腐処理などが施され、今にその気高さを誇っています。
誰もがその威容に、つい心奪われてしまいますが、よくよく考えてみますと、
地面の下には樹高より尚深く、梢の広がりより尚広く、しっかりと根が張って
こそ、大災害にも耐えることが出来たに違いありません。
昨今、何事につけコストや時間を重視し、仏事ごとまで簡略にと、先ばかり
に眼を向け、私たちを支える根っこである、自らを育み続けてきたいのちの
歴史を軽んずるような風潮が広がってはいないでしょうか?
そして、その行き着く先には、根無し草のように流され続けるだけの、空疎で
薄っぺらな人間観しか残らなくなってしまうのではと危惧せずにはおれません。

住職日々随想

南海トラフ巨大地震注意が政府より発令され、改めて災害大国に住まう
逃れようのない事実に目を向けさせられました。
そのような中、改めて考えさせられますのは、巨大災害に遭遇した時など
において、我々の取るべき行動はいかにあるべきなのか、ということです。
関東大震災が起こった時、差別され虐げられてきた朝鮮人が、井戸に
毒を放り込んだとか、この機に乗じて武装蜂起し、人びとに危害を加えよう
としている、などの流言飛語が自治体や警察も巻き込んで流布され、
結果、数百人から六〇〇〇人にと、統計には大きなばらつきがありますが、
警察や、一般人によって組織された自警団によって、無残に殺害されました。
昨年一般公開され話題になった、森達也監督の映画「福田村事件」は、
千葉県の農村において、震災の直接の被害は無かったけれど、デマを信じ
扇動された在郷軍人や一般人によって、朝鮮人と間違われた、貧しい
被差別部落民の行商人一団が、妊婦も含め多数虐殺された事件を題材に、
集団化した人びとの狂気が描かれていました。
アフリカの「砂漠飛びバッタ」は、日頃おとなしくお互い距離を保って
草を食んでいますが、飢饉になると集団化し、色も黒く変わって凶暴化する
「相変異」を起こし、作物を根こそぎ食い尽くしながら大移動を繰り返し、
甚大な食糧危機をもたらすそうです。
日本人は災害にあっても規律正しく、互いに助け合う相互扶助の精神に
富んでいる、と賞賛する向きもありますが、裏を返せば自身の判断よりも
周りの意向を優先し、それに合わせて行動する、主体性の欠如が見られ、
条件次第で大変な過ちをも犯しかねない危うさもはらんでいる、
と言えるのではないでしょうか?
福岡県人権研究所副理事長の園田久子氏は、学生達を前に常々「人間は
いじめもするし、差別もするし、殺しもするよ」と人間の本質的な罪業性を
話されるそうですが、お念仏のみ教えにご縁をいただく我々も「自己とは
何ぞや、これ人生の根本的問題なり。」という清沢満之のご教示にもある
ように、主体的に自らを省みつつ、地に足のついた行動が出来るよう、
日々阿弥陀様のご本願を鏡に歩んでまいりたいことです。

真宗入門「お内仏のお給仕」

ーお香(線香)ー
お線香の『香』の由来はインドにあります。インドでは古来より、心身を
すがすがしくするために芳香を漂わす習慣がありました。それを仏教でも
取り入れ、ほとけ様の御前をお荘厳するために、用いられるようになりました。
お線香は、本数は決まっていませんが、土香炉の大きさに合わせて適当な
長さに折り、火をつけてから、火のついたほうを左にして灰の上に寝かせます。
お線香は抹香の代わりとして、燃香に用いられるようになったものですから
立てません。
お線香は、お勤めの前に火をつけますが、もともとは、土香炉の中に敷いた、
香木の樹脂や木片から作られた抹香に、火をつけて燃じていましたが、今は
お線香で代用するようになりました。
このようにお香を燃じていたところから「燃香」と言います。葬儀やご法事の
時は火種を入れた金香炉に、抹香を入れて焚きます。この事は「焼香」と
言います。
香の作法には「燃香」と「焼香」があります。毎日のお勤めには燃香をし、
特別な仏事の時には、その両方を行います。

法語の味わい ー法語カレンダー9月号よりー

沈む夕日に
人生の帰依処をおもう


夏の日は長く、子供達は時間を忘れて遊びに夢中になります。
日が沈みかけて、空の色が赤く染まりかけたら、誰からともなく「いち抜けた」
と言い、家のほうに向かって、走り出していきます。
お日様が帰るのだから、僕たちも帰ろうと言わんばかりにチリジリバラバラ、
それぞれ自分の家を目指しました。それは、そこに安心して帰って行くところが
あるからでしょう。
阿弥陀様は私が帰って行く所として、お浄土をご用意くださいました。
私の人生がどちらに向いて、どうなっていくのかをいくら考え問うても
わからない私に、すでにあなたの帰るところを用意したから、安心して今を
精一杯生き抜いて帰っておいでと、喚び通して喚んでくださる、そのお声が
「南無阿弥陀仏」でありました。

ー坊守便りー

今年も盂蘭盆会法要をお勤めさせて頂きました。
同朋の会の皆様には、本堂の仏具のおみがき、お盆のみのしつらいであります
切り子灯籠、提灯かけ、幕張の準備、大掃除など、猛暑の中、大汗を流して
ご奉仕をして頂きました。有り難く篤くお礼申しあげます。
そんな中、ご門徒の山口節子さんが亡くなったと、ご連絡が入りました。
元、同朋の会会長の山口善三さんの奥様です。
2年前に親鸞聖人ご誕生850年の慶讃法要をお勤めしましたが、さかのぼって
ご誕生800年の慶讃法要で、ご夫婦でお手伝い頂きました。
その後も長く本堂で聞法され、心から仏法を喜ばれた妙好人ご夫妻でした。
50年前の安泉寺の法要は、山門から本堂の縁に木造のスロープを作り、
大がかりな事でした。
今年3月にお浄土に還淨しました、前住職が勤めた大法要を、共に楽しんで
お勤めくださいました。
前住職もお浄土でお待ちしていたことでしょう。
私もお見送りさせて頂き、ありがたいことでした。 合掌。

九月の行事
12日(木)午前10時半~ ピラティス
19日(木)午前10時半~ ピラティス

21日(土)午後2時~    秋季彼岸永代経法要
ご講師 阿倍野 即応寺 藤井善隆師

29日(日)午後1時~ 初心者対象サックス交流会
午後3時~ 秋のジャズ鑑賞会
(生野エキスポ協賛事業)
十月の行事
3 日(木)午前10時半~ ピラティス
12日(土)午後3時~  生野歴史講演会
(生野エキスポ協賛事業)
13日(日)午後3時~  琵琶の演奏会
(生野エキスポ協賛事業)
*12.13日両日とも午後1時より猪飼野街歩き
いくナビ・ツーデイズがございます。
17日(木)午前10時半~ ピラティス
19日(土)午後2時~    同朋の会聞法会
ご講師 能登教区七尾 安泉寺住職 国分大慶師

27日(日)午前9時~  難波別院報恩講団体参拝
真宗大谷派 鶴栖山 安泉寺

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